頭痛について
頭痛は、多くの方が経験する一般的な症状ですが、原因やタイプによって適切な対応が異なります。
軽度なものが大半ですが、一部には命に関わる病気(二次性頭痛)や慢性的な頭痛(一次性頭痛)があります。
速やかに受診すべき頭痛の特徴
以下のような頭痛は、早めに医療機関を受診してください。
- 突然始まった激しい頭痛(経験したことがない痛み)
- 頭痛の頻度や痛みの程度が増加している
- 悪心や嘔吐を伴い、日常生活に支障が出ている
- 麻痺やしびれ、視力低下など神経症状がある
- がんや免疫不全など基礎疾患がある場合
- 50歳以降に初めて発症した頭痛
一次性頭痛とは
一次性頭痛は、明確な他の病気が原因ではない頭痛を指し、以下の3つに分類されます。
1. 片頭痛
頭の片側(または両側)にズキズキと脈打つ痛みが数時間から3日程度続きます。
吐き気や光・音への過敏を伴うことが多く、一部では「閃輝暗点」などの前兆も見られます。
治療法
- 急性期治療
- トリプタン系薬剤やNSAIDsを使用
- 予防治療
- Ca拮抗薬、β遮断薬、バルプロ酸、抗CGRP抗体製剤など
抗CGRP抗体製剤は新たな予防薬として注目されており、片頭痛発作の頻度や重症度を減らします。
2. 緊張型頭痛
頭全体が締め付けられるような鈍い痛みが特徴で、肩こりや首のこりを伴うことがあります。
数時間から数日続くことがあり、男女問わず幅広い年代で発生します。
治療法
- 薬物療法
- NSAIDsや筋弛緩薬
- 非薬物療法
- ストレッチ、温浴、ストレス管理
長期的な予防のために生活習慣の見直しが重要です。
3. 群発頭痛
主に男性に多く見られ、片側の目の奥に激しい痛みが現れます。
発作は1~2ヶ月間続き、1日に数回発生することがあります。
治療法
- 急性期治療
- 酸素吸入療法、トリプタン系薬剤
- 予防治療
- カルシウム拮抗薬(例:ベラパミル)
群発期にはアルコールや喫煙を控えることが推奨されます。
二次性頭痛とは
二次性頭痛は、脳血管障害や感染症、腫瘍などが原因で発生する頭痛です。
以下の症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
- 突然の激しい頭痛
- 発熱、意識障害、けいれんを伴う頭痛
- 首の硬直や視力障害がある頭痛
二次性頭痛は命に関わる可能性があるため、専門的な診断と治療が必要です。
当院での対応
当院では、丁寧な問診と診察のもと、必要に応じて以下の対応を行っています。
- 協力医療機関と連携したMRIやCTなどの画像検査
- 一次性頭痛に対する薬物療法(例:トリプタン系薬剤、抗CGRP抗体製剤など)
- 二次性頭痛の早期診断と専門病院への迅速な紹介
患者さま一人ひとりの症状に合わせた最適な治療プランを提供いたします。