【専門医監修】高校生・受験生の頭痛が続く原因と対処|片頭痛(偏頭痛)・受診の目安・学校生活のコツまで
60秒でわかる高校生・受験生の頭痛
- 高校生の頭痛の多くは片頭痛や緊張型頭痛です。 ただし、危険サインがある場合は別の病気を除外する評価が必要です。
- 最初に危険サインを確認します。 突然の激しい頭痛、手足の脱力、ろれつの異常、けいれん、発熱と首のこわばりは早めの受診が必要です。
- 片頭痛は学校生活に影響しやすい頭痛です。 ズキズキする痛み、吐き気、光や音のつらさが手がかりになります。
- 市販薬の使いすぎでも頭痛は増えます。 薬を使った日数を記録すると、薬剤乱用頭痛の予防にも役立ちます。
- 対処は「早めに休む・早めに薬を使う・使いすぎない」が基本です。 頻度が多い場合は予防治療も検討します。
- 受験や部活への支障が続くなら相談を。 頭痛のタイプを見極めると、学校生活に合わせた対処がしやすくなります。
今つらい方へ:暗い静かな場所で休み、水分を少量ずつとってください。 突然の強い頭痛、手足の脱力、ろれつの異常、発熱+首のこわばりがあれば、早めの受診を検討してください。
- 危険サイン
- よくある原因3分類
- 片頭痛の特徴
- 思春期女子の頭痛
- 頭痛が増えているとき
- 薬の使いすぎ(MOH)
- 学校生活での対処
- 受診の目安
- 薬の使い方
- 生活のコツ
- 受診を考えている方へ
- よくある質問
- 参考文献
まず知りたいことから読めます
「高校生の頭痛が続く」「思春期女子の頭痛」はとてもよくある悩みです。多くは片頭痛(偏頭痛)や緊張型頭痛などの一次性頭痛ですが、 危険サインがある場合は、脳や感染症など別の病気を除外する評価が必要になります。
このページでは、危険サイン、よくある頭痛のタイプ、学校生活での対処、受診の目安、薬と生活の整え方を、片頭痛ページと同じ読みやすい構成で整理しています。
詳しく読む(このページでわかること)
- 「高校生の頭痛が続く」時の危険サインと受診の目安
- 高校生に多い頭痛(片頭痛 / 緊張型 / 薬の使いすぎ)を見分けるコツ
- 思春期女子の頭痛(ホルモン・生活リズム)で気をつけるポイント
- 学校・部活・受験で困ったときの対処を現場で使いやすい形で整理
高校生の頭痛が続くとき、まず確認する「危険サイン」
結論危険サイン(レッドフラッグ)がある頭痛は、片頭痛や緊張型とは別の病気を除外する必要があります。迷ったら早めに医療機関で評価を受けてください[2][13]。
- 「突然・最強」「神経症状」「発熱/首のこわばり」「頭部外傷」は要注意。
- 小児・思春期の“赤旗”は万能ではなく、全体像(経過・診察)で判断します[2]。
- 朝の頭痛+嘔吐などが続く場合は、受診を先延ばしにしない。
| 緊急度 | 症状・状況(例) | 目安 |
|---|---|---|
| 超緊急 | 突然の「今までで一番強い頭痛」/意識障害・けいれん/手足の麻痺・ろれつ障害・視野異常 | 救急を含めて当日評価を検討 |
| 緊急 | 発熱・首のこわばり/頭部外傷後/徐々に悪化し続ける頭痛/朝の頭痛+嘔吐が続く | できるだけ早く受診 |
| 準緊急 | 初めての強い頭痛が反復/運動やいきみで増悪する頭痛(診察で評価が必要)[2] | 数日以内〜1週間以内に受診相談 |
頭痛(高校生)で多い原因は?まずは“3分類”
結論高校生の頭痛は、まずは①片頭痛(偏頭痛)②緊張型頭痛③薬の使いすぎで悪化した頭痛(薬剤乱用頭痛:MOHなど)を入口に考えることが多いです[4][13]。
- “どれか1つ”ではなく、混在することもあります。
- 分類できると、対処と薬の選び方が一気に楽になります。
- 困ったら「頭痛日記」が最短ルートです(後半にテンプレあり)。
高校生の片頭痛(偏頭痛)の特徴|“ズキズキ+吐き気+光/音がつらい”
結論高校生の片頭痛は「拍動する痛み」「動くと悪化」「吐き気」「光/音過敏」が手がかりです。思春期は生活リズムやストレスと重なりやすく、早めの対処が重要です[4][7]。
- 痛みは片側に限りません(両側のこともあります)。
- 前兆(オーラ)があるタイプもあります(視覚のギザギザ等)。
- 片頭痛の仕組みには三叉神経—血管系とCGRPが関与する考え方が有力です[4]。
片頭痛の診断や治療(急性期薬・予防薬、CGRP関連治療など)は、別ページで詳しくまとめています。
詳しく読む(“片頭痛らしさ”セルフチェック)
| チェック項目 | 当てはまりやすい内容 | 一言メモ |
|---|---|---|
| 痛みの性質 | ズキズキ/拍動する、中〜強い痛み | 頭を動かすとつらい |
| 悪化因子 | 歩く/階段/部活で悪化 | 「動くと悪化」は重要ヒント |
| 随伴症状 | 吐き気、光や音がつらい | 暗い場所で休みたくなる |
| 前兆(ある人) | ギザギザ光・しびれ等が先行(多くは1時間以内) | 一度は医師評価推奨 |
※診断は問診と診察が中心です。危険サインがあれば先に評価します[13]。
思春期の頭痛(女子)|月経(生理)とホルモン変化、生活リズムが重なりやすい
| よくあるパターン | 背景にあること | 対策の方向性 |
|---|---|---|
| 生理の前後で増える | ホルモン変化に生活要因(睡眠/ストレス)が加わる[16] | 周期と頭痛日記で“予測”→早めの対処。頻度が多いなら予防も検討 |
| 朝に強い/午前がつらい | 睡眠不足、起床リズムの乱れ、朝食抜きなど | 就寝/起床の固定、朝の水分・軽食、光刺激の調整 |
| テスト・受験期に増える | ストレス+睡眠の質低下+画面時間増加 | 休憩ルール化、画面の光/音対策、対処薬の準備 |
詳しく読む(“隠れやすい”サインと家族の支え方)
- 「我慢して言わない」「保健室でやり過ごす」ことが続くと、慢性化の引き金になりえます。
- まずは頭痛日数と薬を使った日数を一緒に見える化。
- 生活で改善が難しい場合は、早めに受診して“戦略”を作るのが近道です[13]。
頭痛が毎日・週に何回もある高校生|慢性化(慢性片頭痛など)を疑う目安
市販薬を飲みすぎると頭痛が増える?(薬剤乱用頭痛:MOH)
| サイン | よくある状況 | 対策 |
|---|---|---|
| 薬の日数が増えた | 「効かないから追加」「予防的に飲む」が増える | 頭痛日記で日数を見える化→上限を決める |
| 頭痛が“だらだら”続く | 毎日鈍い頭痛+時々強い発作 | 根本の頭痛(片頭痛等)を治療しつつ、計画的に調整 |
| 薬がないと不安 | 学校や塾に持ち歩いて頻回使用 | 学校での運用(保健室/休憩)とセットで再設計 |
学校(授業・部活・受験)で頭痛が起きたときの対処|現場で使える形に
結論高校生の頭痛は「その場の対処」と「再発を減らす設計」を分けると安定します。学校では“休む場所・タイミング・薬の運用”をあらかじめ決めておくと、授業や部活への影響を減らしやすくなります[7][13]。
- 片頭痛は早期対応が鍵。悪化してからだと効きにくいことがあります[7]。
- 吐き気・光過敏がある時は「暗い・静か」が最優先。
- “薬の使いすぎ”にならないよう、学校でも使用日数を管理。
| 場面 | その場でやること | 再発を減らす工夫 |
|---|---|---|
| 授業中に痛くなった |
①光と音を避ける(保健室・静かな場所) ②水分を少量ずつ ③医師の指示がある急性期薬は早めに |
休憩ルール(50分学習→5分目を休める等) 画面の明るさ/ブルーライト/通知を調整 |
| 部活で悪化 | いったん中止し、安全確保。頭痛が強い日は無理をしない | 睡眠と水分、練習前後の補食。誘因(暑さ/脱水)を先回り |
| 試験・模試の最中 | 早めに対処。吐き気が強い場合は保健室へ | 事前に学校へ共有(必要なら医師の書面)。薬の携行ルールを作る |
高校生の頭痛:受診の目安(何科に行く?MRI/検査は?)
結論危険サインがあればまず評価。危険サインがなくても、頭痛が生活に支障(欠席・部活/受験に影響)を出しているなら、早めに受診して戦略を作る方が結果的に楽です[13]。
- 診断は「問診+神経診察」が中心。必要な時だけ検査を足します。
- 赤旗所見は参考になる一方、単独で決め手にならないこともあるため総合判断します[2]。
- 初診は“メモ(頭痛日数・薬の日数・随伴症状)”があると精度が上がります。
| 状況 | 目安 | 行き先(例) |
|---|---|---|
| 危険サインあり | 当日〜早急に評価(救急含む) | 救急/脳神経領域で評価 |
| 危険サインなしだが支障が大きい | 欠席・早退・部活/受験に影響がある、薬が増えている | 脳神経内科/頭痛外来(年齢・状況で小児科も) |
| 軽いが反復する | 頭痛日記をつけ、パターンが見えたら相談 | かかりつけ・頭痛外来 |
詳しく読む(初診で持ってくると役立つメモ)
- 1か月の「頭痛日数」
- 薬を使った「日数」と薬の種類
- 吐き気・光/音過敏・前兆の有無
- 睡眠、ストレス、月経(女子)、天候、運動、画面時間
高校生の片頭痛(偏頭痛)の治し方(薬)|“早めに使う”+“使いすぎない”が基本
結論思春期の片頭痛治療は、①急性期治療(発作のとき)②予防治療(頻度が多いとき)③生活の整え(再発を減らす)を組み合わせます。小児・思春期の急性期/予防治療は、米国神経学会(AAN)/米国頭痛学会(AHS)のガイドラインでも記載されています[7][8]。
| 治療の柱 | 内容(一般論) | ポイント |
|---|---|---|
| 急性期 | 鎮痛薬(アセトアミノフェン/NSAIDsなど)や、年齢・状況によりトリプタン等を検討(国・年齢で適応は異なります)[7] | “早めに”がコツ。吐き気が強い場合は工夫が必要 |
| 予防 | 頻度が多い/生活障害が大きい場合に検討。小児ではプラセボ効果も大きく、個別最適化が重要[9][10][8] | 目標は“頭痛日を減らす”。続けられる形が最優先 |
| 新しい選択肢 | 近年、CGRP経路を標的にした治療が進展。小児・思春期でもフレマネズマブのRCTが報告され、米国では小児の反復性片頭痛(episodic migraine)への適応追加が行われています[11][19] | 海外での承認と、日本での適応・保険は分けて確認 |
※本ページは一般的な医療情報です。年齢、併存症、併用薬、国内の承認状況などにより選択肢は変わります。とくに抗CGRP関連治療は、海外のRCT・承認状況と、日本国内の承認・保険適用が一致しないことがあります。具体的な薬の使い方は診察でご相談ください。
高校生の頭痛を減らす生活のコツ|睡眠・運動・カフェイン・画面時間
結論片頭痛は生活要因(睡眠・ストレス・生活リズム)で揺れやすく、睡眠の質は片頭痛と関連することが示されています。まず“整える土台”を作るのが基本です[14][17]。
- 睡眠:就寝/起床を固定(休日もズレを小さく)。
- 運動:無理のない有酸素運動を継続(体調と相談)。
- 画面:明るさ・通知・休憩ルールで“刺激”を減らす。
| 項目 | やること(まずここから) | コツ |
|---|---|---|
| 睡眠 | 就寝/起床をそろえる。寝る前1時間は光と情報を減らす | 睡眠の質と片頭痛の関連が報告されています[14] |
| 水分・食事 | 朝の水分、朝食(少量でも)をルーティン化 | “抜け”を減らすと安定しやすい |
| 運動 | 無理のない有酸素運動を継続(やりすぎは逆効果のことも) | 体調を見ながら“継続”を優先 |
| カフェイン | 量と時間を固定。飲まない日と差を作りすぎない | 個人差が大きいので日記で判断 |
| 頭痛日記 | 頭痛日数・薬の日数・誘因をメモ(次の表を使用) | 診断と治療の精度が上がる |
受診を考えている方へ
吉祥寺おおさき内科・脳神経内科では、問診と神経診察を中心に「頭痛のタイプ(片頭痛 / 緊張型 / MOH など)」を診断し、 発作時の対処と、頻度が多い場合の予防を組み合わせて治療方針をご提案します。 片頭痛の治療全体については、別ページで詳しく解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q1.高校生の頭痛が続くとき、何科に行けばいいですか?
A:危険サインがあれば救急を含めて早めに評価を検討します。危険サインがなくても欠席や生活への支障が大きい場合は、脳神経内科 / 頭痛外来(状況により小児科)で相談すると、対処と予防の戦略が立てやすいです[13]。
Q2.MRI/CTは必ず必要ですか?
A:典型的な片頭痛や緊張型頭痛では、問診と診察が中心で、検査は必要な場合に追加します。赤旗所見は重要ですが、単独で決め手になりにくいこともあり、総合判断します[2]。
Q3.高校生の片頭痛(偏頭痛)は大人と同じですか?
A:基本の考え方(早めの急性期治療、頻度が多ければ予防、生活要因の調整)は共通です。小児・思春期に特化した急性期 / 予防ガイドラインもあります[7][8]。
Q4.市販薬を飲む回数が増えています。大丈夫ですか?
A:急性期薬の頻回使用が続くと、薬剤乱用頭痛(MOH)として慢性化を助長することがあります。使用日数を把握し、もとの頭痛治療を含めて計画的に調整するのが大切です[12][18]。
Q5.思春期女子の頭痛は生理と関係しますか?
A:関係することがあります。月経前後に頭痛が目立つ方がいて、睡眠不足やストレスが重なると揺れやすくなります。睡眠の乱れと片頭痛の関連も報告されています[16][17]。
この記事の監修者
院長 大﨑 雅央(Masao Osaki)
吉祥寺おおさき内科・脳神経内科
日本神経学会 神経内科専門医
日本内科学会 総合内科専門医
参考文献
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- [1] Hunt CMM, Thompson LA. Understanding and Managing Headaches in Children and Teens. JAMA Pediatrics. 2025. JAMA
- [2] Park EG, Yoo IH. The diagnostic values of red flags in pediatric patients with headache. Brain & Development. 2022. PubMed
- [3] Ashina M. Migraine. N Engl J Med. 2020. NEJM
- [4] Ferrari MD, Goadsby PJ, Burstein R, et al. Migraine. Nat Rev Dis Primers. 2022. Nature
- [5] Ashina M, Katsarava Z, Do TP, et al. Migraine: epidemiology and systems of care. The Lancet. 2021. Lancet
- [6] GBD 2023 Headache Collaborators. Global, regional, and national burden of headache disorders, 1990-2023: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2023. Lancet Neurol. 2025. PubMed
- [7] Oskoui M, Pringsheim T, Holler-Managan Y, et al. Acute treatment of migraine in children and adolescents (practice guideline update). Neurology. 2019. Neurology
- [8] Oskoui M, et al. Pharmacologic treatment for pediatric migraine prevention (practice guideline update). Neurology. 2019. Neurology
- [9] Patterson-Gentile C, Szperka CL. The Changing Landscape of Pediatric Migraine Therapy: A Review. JAMA Neurology. 2018. JAMA Neurol
- [10] Locher C, et al. Efficacy, Safety, and Acceptability of Pharmacologic Treatments for Pediatric Migraine Prophylaxis: A Systematic Review and Network Meta-analysis. JAMA Pediatrics. 2020. JAMA Pediatr
- [11] Hershey AD, Szperka CL, Barbanti P, et al. Fremanezumab in Children and Adolescents with Episodic Migraine. N Engl J Med. 2026. NEJM
- [12] Evers S, Jensen R. Clinical features, pathophysiology, and treatment of medication-overuse headache. The Lancet Neurology. 2010. Lancet Neurology
- [13] Abu-Arafeh I, Morozova M. Migraine in children and adolescents: Assessment and diagnosis. Handb Clin Neurol. 2024;199:475-485. PubMed
- [14] Stanyer EC, et al. Subjective Sleep Quality and Sleep Architecture in Patients With Migraine: A Meta-analysis. Neurology. 2021. PubMed
- [15] International Headache Society. The International Classification of Headache Disorders, 3rd edition (ICHD-3). 2018. PDF
- [16] Crawford MJ, Lehman L, Slater S, et al. Menstrual migraine in adolescents. Headache. 2009;49(3):341-347. PubMed
- [17] Voci A, Bruni O, Ferilli MAN, et al. Sleep Disorders in Pediatric Migraine: A Questionnaire-Based Study. J Clin Med. 2021;10(16):3575. PubMed
- [18] VanderPluym JH, Cheng N, Zhu Y, et al. Treatment of medication-overuse headache in children and adolescents: A systematic review. Headache. 2025;65(7):1148-1159. PubMed
- [19] U.S. Food and Drug Administration. AJOVY (fremanezumab-vfrm) prescribing information. 2025. FDA