吉祥寺おおさき内科・脳神経内科 院長
大﨑 雅央
東京大学医学部卒神経内科専門医総合内科専門医
プロフィール
60秒でわかる高校生・受験生の頭痛
- 高校生の頭痛の多くは片頭痛や緊張型頭痛ですが、危険サインがあれば別の病気を先に除外します。突然の最強頭痛、神経症状、発熱や首のこわばり、朝の頭痛と嘔吐が続く場合は受診を先延ばしにしません。12
- ズキズキして動くと悪化し、吐き気や光・音過敏を伴うなら片頭痛らしい経過です。痛みは片側に限らず、両側のこともあります。前兆があるタイプもあります。34
- 思春期女子では月経、睡眠不足、ストレス、食事の抜けが重なると頭痛が不安定になりやすいです。周期と生活リズムを頭痛日記で見える化すると対策しやすくなります。567
- 頭痛日と薬を使う日が増えているときは、慢性化と薬剤乱用頭痛を一緒に考えます。『頭痛が増える→薬が増える→さらに増える』悪循環を早めに止めることが大切です。8910
- 学校や受験期は『休む場所・タイミング・薬の運用』を先に決めておくと崩れにくくなります。授業中や試験中に痛くなったときは、暗く静かな場所で休み、指示された急性期薬を早めに使います。42
- 欠席や早退が増える、部活や勉強に支障が大きい、市販薬の回数が増えているなら早めの相談が役立ちます。頭痛日記があると、診断も治療の方針も立てやすくなります。9210
思春期の頭痛は、我慢と気合いで乗り切るほど長引きやすくなります。危険な頭痛でないかを確認しつつ、学校生活に合わせた対処と治療の形を一緒に考えることが大切です。
院長・神経内科専門医 大﨑 雅央
高校生の頭痛が続くときの危険サイン — まず確認すべき項目
結論危険なサインがある頭痛は、片頭痛や緊張型とは別の病気を除外する必要があります。迷ったら早めに医療機関で評価を受けてください。12
- 「突然・最強」「神経症状」「発熱・首のこわばり」「頭部外傷」は要注意です。
- 小児・思春期では、危険なサインだけでなく、経過と診察を含めた全体像で判断します。1
- 朝の頭痛と嘔吐が続く場合は、受診を先延ばしにしません。
| 緊急度 | 症状・状況(例) | 目安 |
|---|---|---|
| 超緊急 | 突然の『今までで一番強い頭痛』、意識障害・けいれん、手足の麻痺・ろれつ障害・視野異常 | 救急を含めて当日評価を検討 |
| 緊急 | 発熱・首のこわばり、頭部外傷後、徐々に悪化し続ける頭痛、朝の頭痛と嘔吐が続く | できるだけ早く受診 |
| 準緊急 | 初めての強い頭痛が反復する、運動やいきみで増悪する頭痛(診察で評価が必要)1 | 数日以内から1週間以内に受診相談 |
高校生の頭痛は片頭痛の可能性? — 30秒セルフチェック
結論このチェックは診断ではなく、受診の目安を整理するためのものです。危険なサインが1つでもあれば救急相談を優先し、そうしたサインがなく片頭痛らしさが2項目以上あれば片頭痛として矛盾しない特徴があります。
該当する項目を順番に見直すと、『今すぐ受診が必要か』『片頭痛らしい特徴があるか』を短時間で確認できます。
まず、すぐに受診すべきサインを確認
以下に1つでも当てはまる場合は、片頭痛かどうかを考える前に、救急受診や当日中の評価を優先してください。
- 突然の激しい頭痛(数秒から数分でピークに達する)
- 50歳以上で初めて出た頭痛
- 麻痺・ろれつの回りにくさ・意識障害を伴う
片頭痛らしさのチェック(4問)
危険なサインがない場合は、次の4項目を確認します。複数当てはまるほど、片頭痛らしい経過として考えやすくなります。
- ズキンズキンと拍動するように痛む
- 光や音、においがつらい、または吐き気を伴う
- 頭痛のある時、家事・仕事・学業に支障が出る
- 親または兄弟姉妹に片頭痛の人がいる
判定の目安
使うときの注意
本チェックは一般的な情報提供であり、医学的診断に代わるものではありません。最終的な診断は専門医による診察が必要です。あくまで受診の目安としてご活用ください。
まとめ危険なサインの確認を先に行い、そのうえで片頭痛らしさを見ます。不安が残るときは、自己判断だけで終わらせず外来で確認するのが安心です。
高校生の頭痛で多い原因は? — 片頭痛・緊張型・複合の3分類
結論高校生の頭痛は、まずは片頭痛(偏頭痛)、緊張型頭痛、薬の使いすぎで悪化した頭痛(薬剤乱用頭痛:MOHなど)を入口に考えることが多いです。どれか1つとは限らず、混在することもあります。32
- 分類できると、対処と薬の選び方が一気に楽になります。
- 片頭痛と緊張型が混ざることも珍しくありません。
- 困ったら頭痛日記が最短ルートです。
まとめまずは3分類で地図を作ると、『受診の要否』『薬の選択』『生活の整え方』が決めやすくなります。
高校生・受験生の片頭痛の特徴は? — ズキズキ+吐き気+光/音がつらい
結論高校生の片頭痛は『拍動する痛み』『動くと悪化』『吐き気』『光や音がつらい』が手がかりです。思春期は生活リズムやストレスと重なりやすく、早めの対処が重要です。34
片頭痛の診断や治療(急性期薬・予防薬・CGRP関連治療など)は、片頭痛(偏頭痛)の基準ページで、前兆については 閃輝暗点の解説ページ でも詳しくまとめています。
- 痛みは片側に限らず、両側のこともあります。
- 前兆(オーラ)があるタイプもあります。
- 片頭痛の仕組みには三叉神経・血管系とCGRPが関わる考え方が有力です。3
詳しく読む(『片頭痛らしさ』セルフチェック)
診断は問診と診察が中心です。危険サインがあれば、片頭痛の説明より先に別の病気がないかを確認します。2
| チェック項目 | 当てはまりやすい内容 | 一言メモ |
|---|---|---|
| 痛みの性質 | ズキズキ・拍動する、中から強い痛み | 頭を動かすとつらい |
| 悪化因子 | 歩く・階段・部活で悪化 | 『動くと悪化』は重要なヒントです |
| 随伴症状 | 吐き気、光や音がつらい | 暗い場所で休みたくなります |
| 前兆(ある人) | ギザギザ光・しびれなどが先行(多くは1時間以内) | 一度は医師評価を考えます |
まとめ片頭痛は『ズキズキ・動くと悪化・吐き気や光音過敏』がそろうほど考えやすく、早めの対処が効きやすいタイプです。
思春期女子の頭痛 — 月経・ホルモン変化・生活リズムの影響
結論思春期はホルモン変化に加え、睡眠不足・ストレス・食事の抜けなどが重なると、片頭痛が目立ちやすくなることがあります。『月経前後に増える』『テスト前に増える』といった周期がヒントになります。67
| よくあるパターン | 背景にあること | 対策の方向性 |
|---|---|---|
| 生理の前後で増える | ホルモン変化に生活要因(睡眠・ストレス)が加わります。6 | 周期と頭痛日記で予測し、早めの対処へ。頻度が多いなら予防も検討します。 |
| 朝に強い・午前がつらい | 睡眠不足、起床リズムの乱れ、朝食抜きなどが重なります。 | 就寝・起床の固定、朝の水分と軽食、光刺激の調整を考えます。 |
| テスト・受験期に増える | ストレス、睡眠の質低下、画面時間増加が重なります。 | 休憩ルール化、画面の光や音の対策、対処薬の準備を進めます。 |
詳しく読む(隠れやすいサインと家族の支え方)
隠れやすいサイン
- 『我慢して言わない』『保健室でやり過ごす』ことが続くと、慢性化の引き金になりえます。
- まずは頭痛日数と薬を使った日数を一緒に見える化します。
- 生活での改善が難しい場合は、早めに受診して方針を作るのが近道です。2
まとめ思春期女子の頭痛は『周期+生活リズム』が鍵です。頭痛日記で予測しやすくなると、学校生活がかなり楽になります。
高校生で頭痛が毎日・週に何回も? — 慢性化(慢性片頭痛)を疑う目安
結論頭痛日が増えている場合は、慢性化と薬の使いすぎ(薬剤乱用頭痛:MOH)を同時に評価します。頻度が高く、生活への影響が大きいほど、予防治療や生活の再設計を検討しやすくなります。810
まとめ頻度が多い頭痛は、慢性化と薬の使いすぎをセットで見直すのが王道です。
高校生の市販薬の使いすぎで頭痛が増える? — 薬剤乱用頭痛(MOH)とは
結論頭痛の薬を頻回に使うほど、頭痛が慢性化しやすくなる『薬剤乱用頭痛(MOH)』があります。薬を責めるより、悪循環を設計し直すことが大切です。910
- 『頭痛が増える→薬が増える→さらに増える』が典型です。
- MOHは国際分類で定義されており、治療では薬の使い方と元の頭痛の治療を同時に見直します。1110
- 怖がって薬を我慢しすぎるより、正しく使う日数を管理する方が安全です。
| サイン | よくある状況 | 対策 |
|---|---|---|
| 薬の日数が増えた | 『効かないから追加』『予防的に飲む』が増える | 頭痛日記で日数を見える化し、上限を決めます。 |
| 頭痛がだらだら続く | 毎日鈍い頭痛があり、時々強い発作も起きます。 | 根本の頭痛(片頭痛など)を治療しつつ、計画的に調整します。 |
| 薬がないと不安 | 学校や塾に持ち歩き、頻回使用になりやすい状態です。 | 学校での運用(保健室・休憩)とセットで再設計します。 |
学校・部活・受験で頭痛が起きた時の対処は? — 現場で使える対処法
結論高校生の頭痛は『その場の対処』と『再発を減らす設計』を分けると安定します。学校では休む場所・タイミング・薬の運用をあらかじめ決めておくと、授業や部活への影響を減らしやすくなります。42
- 片頭痛は早期対応が鍵で、悪化してからだと効きにくいことがあります。4
- 吐き気や光過敏がある時は、『暗い・静か』を最優先にします。
- 薬の使いすぎにならないよう、学校でも使用日数を管理します。
| 場面 | その場でやること | 再発を減らす工夫 |
|---|---|---|
| 授業中に痛くなった | 光と音を避ける場所へ移り、水分を少量ずつとり、医師の指示がある急性期薬は早めに使います。 | 休憩ルール(50分学習→5分休憩など)と、画面の明るさ・通知設定を調整します。 |
| 部活で悪化した | いったん中止し、安全を確保します。頭痛が強い日は無理をしません。 | 睡眠と水分、練習前後の補食、暑さや脱水の先回り対策をします。 |
| 試験・模試の最中 | 早めに対処し、吐き気が強い場合は保健室へ向かいます。 | 事前に学校へ共有し、必要なら医師の書面や薬の携行ルールを作ります。 |
まとめ学校での頭痛は、環境(暗い・静か)と早めの対処、運用ルールの3つがそろうと崩れにくくなります。
高校生の頭痛は何科を受診すべき? — 受診の目安とMRI検査
結論危険サインがあればまず評価し、危険サインがなくても、頭痛が生活に支障を出しているなら早めに受診して戦略を作る方が結果的に楽です。欠席・部活・受験勉強への影響が続く頭痛は、我慢より相談が役立ちます。2
- 診断は問診と神経診察が中心で、必要な時だけ検査を足します。
- 危険なサインは参考になりますが、単独で決め手にならないこともあるため総合判断します。1
- 初診は頭痛日数、薬の日数、随伴症状のメモがあると精度が上がります。
| 状況 | 目安 | 行き先(例) |
|---|---|---|
| 危険サインあり | 当日から早急に評価(救急含む) | 救急または脳神経領域で評価 |
| 危険サインなしだが支障が大きい | 欠席・早退・部活や受験に影響、薬が増えている | 脳神経内科・頭痛外来(年齢や状況で小児科も) |
| 軽いが反復する | 頭痛日記をつけ、パターンが見えたら相談 | かかりつけ医や頭痛外来 |
詳しく読む(初診で持ってくると役立つメモ)
メモしておきたいこと
- 1か月の頭痛日数
- 薬を使った日数と薬の種類
- 吐き気・光や音過敏・前兆の有無
- 睡眠、ストレス、月経(女子)、天候、運動、画面時間
まとめ受診の質は情報の質で大きく変わります。頭痛日記があると、診断も治療も一段ラクになります。
高校生・受験生の片頭痛の治し方は? — 薬は『早めに使う』『使いすぎない』が基本
結論思春期の片頭痛治療は、急性期治療、予防治療、生活の整えを組み合わせます。小児・思春期の急性期と予防治療は、AAN/AHSのガイドラインでも記載されています。48
本ページは一般的な医療情報です。年齢、併存症、併用薬、国内の承認状況などにより選択肢は変わります。とくに抗CGRP関連治療は、海外のRCTや承認状況と、日本国内での適応・保険適用が一致しないことがあります。具体的な薬の使い方は診察でご相談ください。
- 急性期は『痛みが強くなる前に』使うほど効きやすい傾向があります。4
- 薬の使いすぎはMOHの原因になりうるため、使用日数の管理が重要です。910
- 頻度が多いなら予防治療を検討します。抗CGRP抗体などの新しい治療は、海外のエビデンスと日本での適応・保険を分けて確認します。81213
まとめ治療は『急性期』『予防』『生活』の三本柱です。薬は早めに使い、使いすぎないことが基本になります。
高校生の頭痛を減らす生活のコツ — 睡眠・運動・カフェイン・画面時間
結論片頭痛は生活要因(睡眠・ストレス・生活リズム)で揺れやすく、まず整える土台を作ることが基本です。睡眠の質と片頭痛の関連も報告されています。57
- 睡眠は就寝・起床をそろえ、休日のずれを小さくします。
- 運動は無理のない有酸素運動を継続します。
- 画面は明るさ・通知・休憩ルールで刺激を減らします。
| 項目 | やること(まずここから) | コツ |
|---|---|---|
| 睡眠 | 就寝・起床をそろえ、寝る前1時間は光と情報を減らします。 | 睡眠の質と片頭痛の関連が報告されています。5 |
| 水分・食事 | 朝の水分、朝食(少量でも)をルーティン化します。 | 『抜け』を減らすと安定しやすくなります。 |
| 運動 | 無理のない有酸素運動を継続します。 | 体調を見ながら継続を優先します。 |
| カフェイン | 量と時間を固定し、飲まない日との差を作りすぎないようにします。 | 個人差が大きいので、日記で傾向を見ます。 |
| 頭痛日記 | 頭痛日数・薬の日数・誘因をメモします。 | 診断と治療の精度が上がります。 |
高校生・受験生の頭痛で受診を考えている方へ — 神経内科専門医による頭痛外来
結論欠席や早退が増えている頭痛、市販薬の回数が増えている頭痛、思春期女子の周期的な頭痛は、我慢を続けるより一度相談した方が方針を立てやすくなります。問診と神経診察を中心に、片頭痛・緊張型・MOHなどのタイプを見極め、発作時の対処と予防を一緒に考えます。
吉祥寺おおさき内科・脳神経内科では、頭痛のタイプを診断し、発作時の対処と、頻度が多い場合の予防を組み合わせて治療方針をご提案します。片頭痛の治療全体については、基準ページでも詳しく解説しています。
高校生・受験生の頭痛のよくある質問(FAQ)
参考文献
参考文献を表示
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