最終更新:2026-04-25 / 監修:大崎 雅央 院長(神経内科専門医・指導医)

認知症ドックとは|脳ドックとの違い・費用・何歳から受けるべきかを神経内科指導医が解説

「認知症ドック」は、脳MRI画像の確認だけで終わらず、認知機能検査・採血(リスク項目を含む)を組み合わせ、自覚症状がない段階の微細な変化まで捉えることを目的とした検査です。本記事では、一般的な脳ドックとの違い、検査内容、何歳から必要か、費用の目安、異常が見つかった場合の対応について、神経内科指導医が解説します。

本記事の監修者が在籍する施設

吉祥寺で受けられる「介入型」の認知症・脳卒中ドック

MRI画像だけでは見つからない認知症・脳卒中リスクを、3テスラMRI+認知機能検査+採血(一般+リスク項目)+心電図で統合評価。精査が必要な場合は同院で継続フォローも対応。神経内科専門医が結果を統合して読み解きます。

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認知症ドックの定義

結論認知症ドックとは、認知症の早期発見・予防を目的に、脳MRIに加えて認知機能検査・採血(一般項目+リスク項目)を組み合わせる検査です。一般的な「脳ドック」が画像中心であるのに対し、数値と画像を統合して将来リスクを評価する点が特徴です。

「脳ドック」と「認知症ドック」は、施設や検査内容によって呼称が異なるだけのこともありますが、検査設計の重点が違います。脳ドックがMRIによる脳血管疾患(脳梗塞・脳出血・動脈瘤)の発見に重きを置くのに対し、認知症ドックは認知機能の数値評価と、一般採血+認知症・脳卒中リスクに関連する採血項目を加え、認知症の発症前段階(軽度認知障害=MCI)の兆候まで捉えることを目的とします。

つまり認知症ドックは「脳ドックの上位互換」というより、同じ脳の状態評価でも視点が異なる検査と理解するのが正確です。当院の認知症・脳卒中ドックは、両方の視点を統合して提供する設計になっています。

なぜ今「認知症ドック」が注目されるのか

認知症は自覚症状なく進行する

アルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβタウタンパクは、症状が現れる10〜20年前から脳内に蓄積することが知られています。自覚症状(もの忘れの増加、判断力の低下など)が出始める段階では、すでに脳萎縮や白質病変など構造的な変化が進んでいることが少なくありません。

新薬は早期段階でしか使えない

2023年に承認された抗アミロイドβ抗体薬レカネマブ(レケンビ)は、軽度認知障害(MCI)または軽度のアルツハイマー型認知症の段階で適応となります[5]。中等度〜重度に進行してから受診しても、新薬による進行抑制の選択肢は限られてしまいます。

  • 前臨床期 症状なし。アミロイドβ蓄積開始
  • MCI(軽度認知障害) ✓ レカネマブ適応
  • 軽度認知症 ✓ レカネマブ適応
  • 中等度 対症療法が中心
  • 重度 介護中心

早期介入でリスクを下げられる可能性

認知症発症リスクの約40%は修正可能な生活習慣因子(高血圧、糖尿病、喫煙、運動不足、難聴など)と関連すると報告されています。一般採血(血算・生化学・免疫学的検査など)に加え、認知症リスクに関連する項目(HOMA-IR=インスリン抵抗性、ホモシステイン、その他複数の指標)を測定して早期に介入することで、認知症リスクを低減できる可能性があります[1][2]

脳ドックと認知症ドックの違い

比較一般的な脳ドックは脳血管疾患の発見を主目的とした画像中心の検査、認知症ドックは認知機能・代謝リスクの数値化を加えた評価です。当院の認知症・脳卒中ドックは両方を統合し、心電図まで含めて評価します。

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一般的な脳ドック 認知症ドック 当院の認知症・脳卒中ドック
主目的 脳血管疾患の発見 認知症の早期発見・予防 脳血管+認知機能+代謝の統合評価
脳MRI/MRA
1.5Tまたは3T

主に1.5T

3テスラ+頸動脈MRA
認知機能検査 ×
Mini-Cog+TMT A/B
一般採血 一部の施設のみ 項目は施設により差
血算・生化学・免疫学的検査
(甲状腺機能含む)
認知症リスク採血 ×
HOMA-IR・ホモシステイン等

HOMA-IR・ホモシステイン+
その他リスク関連複数項目
心電図 × ×
長期ホルター(Advanced以上)
結果説明 レポート中心 専門医面談あり
(施設により差)
神経内科専門医による
統合面談
異常時の対応 他院紹介 他院紹介が多い 同院で継続フォロー可能

表のとおり、当院の認知症・脳卒中ドックは「認知症ドック」と「脳ドック」両方の視点を統合し、さらに心電図と専門医による統合評価まで含めた構成になっています。3つのコース(Essential/Advanced/Executive)の詳細はこちら

認知症ドックで評価する4つの軸

認知症ドックでは、認知症の発症前変化を多角的に捉えるため、画像・機能・代謝・統合評価の4つの視点を組み合わせます。

① 脳MRI/MRA — 構造変化の把握

MRIでは脳萎縮(特に海馬の萎縮)白質病変(慢性虚血性変化)無症候性脳梗塞脳動脈瘤などを評価します。3テスラMRIは1.5Tに比べて分解能が高く、より細かい所見を捉えやすいことが知られています。詳しくは3テスラMRIとはをご覧ください(公開予定)。

② 認知機能検査(Mini-Cog・TMT A/B)

Mini-Cogは3つの単語の記憶と時計描画によって、認知機能の概略を5分程度で評価する検査です。Trail Making Test(TMT A/B)は注意機能と実行機能(複数の情報を同時に処理する力)を測定します。これらはMCIの段階で異常を示すことがあるため、画像で捉えにくい初期変化のスクリーニングに役立ちます[4]

③ 採血(一般項目+認知症・脳卒中リスク関連項目)

当院の採血は、一般採血(血算、生化学、免疫学的検査、甲状腺機能を含む)に加え、通常の健診では測定しない認知症・脳卒中リスクに関連する複数の項目を評価します。代表的なリスク指標として、HOMA-IR(インスリン抵抗性の指標)は中年期の脳ブドウ糖代謝低下や記憶機能との関連が報告されており[1]ホモシステインは認知症リスクの独立した因子として知られています[2]

リスク採血項目は上記以外にも複数含まれ、食事・運動・薬物療法などによる介入で改善が期待できる指標を中心に組み合わせています。複数の数値を専門医が総合評価し、「いま変えられる」優先順位を個別にお伝えします。

④ 専門医による統合評価と面談

画像・認知機能・採血の結果をバラバラに伝えるのではなく、神経内科専門医が統合的に解釈し、「何から気をつけるべきか」「次に何をすべきか」を具体的にお伝えします。当院の認知症・脳卒中ドックでは、院長の大崎雅央(神経内科専門医・指導医)が直接面談を担当します。

当院の特徴

神経内科専門医が「次の一歩」をお伝えします

99,000円〜(税込・検査+専門医面談込み)/来院2回・結果2〜3週間/吉祥寺駅徒歩1分。

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認知症ドックは何歳から受けるべきか

一般的には40代以降から推奨

アミロイドβの蓄積は40代後半から徐々に始まることが知られており、生活習慣の影響が累積しやすい年代です。40代以降を目安に、ご本人の血圧・脂質・血糖などのリスク因子と合わせて受診をご検討ください。

家族歴がある場合は早めに

ご家族(特に親・兄弟姉妹)に認知症の方がいる場合、遺伝的素因と生活習慣の重なりが影響することがあります。家族歴がある場合は30代後半〜40代前半からの受診もご検討いただける範囲です。

年代別の検査タイミングについては、別記事「脳ドックは何歳から?40代・50代・60代別の受診タイミング」で詳しく解説する予定です(公開予定)。

受診後の流れと、異常が見つかった場合の対応

結果の伝え方

検査後2〜3週間で結果が揃います。当院では結果票だけをお渡しして終わりにせず、神経内科専門医が画像・採血・認知機能の結果を統合的に説明し、ご質問にもお答えします(来院・オンライン面談どちらも可)。

パターン別の対応

認知症ドックで見つかる所見は様々ですが、対応の方向性は大きく次の3パターンに整理できます。

  • MRI異常(無症候性脳梗塞・動脈瘤・狭窄など):必要に応じて精査・経過観察。緊急性が高い場合は連携病院をご紹介します。
  • 認知機能の低下傾向:MCIの可能性も含めて、当院で継続的なフォローを行います。神経内科専門医が結果を統合し、生活習慣・薬物・経過観察など個別の方針をご提案します。
  • 生活習慣リスクの上昇:食事・運動・睡眠の指導、必要時は降圧薬・脂質低下薬・抗血小板薬等の検討まで、当院で一貫対応します。

脳ドックで「異常」「要精密検査」と言われたあとの具体的な対応については、脳ドックで異常・所見を指摘されたらでも詳しく解説しています。

認知症ドックの費用相場と当院の料金

認知症ドックは自由診療のため健康保険は適用されず、施設ごとに料金は大きく異なります。一般的な相場は5万円〜10万円台が中心ですが、検査項目(MRIのテスラ数、採血項目、認知機能検査の有無、心電図の有無)で価格に差が出ます。

当院の認知症・脳卒中ドックは3つのコースをご用意しています:

  • Essentialコース 99,000円(税込):脳MRI・MRA+頸動脈MRA(3テスラ)、認知症・脳卒中リスク採血、認知機能検査(Mini-Cog, TMT A/B)、専門医面談
  • Advancedコース 149,000円(税込・推奨):Essential全項目+最長5日ホルター心電図(隠れ心房細動の検出)
  • Executiveコース 249,000円(税込):Advanced全項目+全身がん検査MRI(DWIBS)+肺CT

よくある質問

Q1. 認知症ドックは健康保険が使えますか?

認知症ドックは予防・スクリーニング目的のため健康保険は適用されません(自由診療)。一方で、ドック受診後に精査やフォローが必要な場合は、同院で継続的に診療が可能です。神経内科専門医が結果を統合し、生活習慣・薬物・経過観察など個別の方針をご提案します。

Q2. 結果が出るまでどのくらいかかりますか?

当院では検査後約2〜3週間で結果が揃い、専門医面談を行います。MRI画像の専門医読影、採血項目の判定、認知機能検査の総合評価をまとめて行うため、即日結果のご提供はできかねます。

Q3. 認知症ドックで認知症の診断はつきますか?

認知症ドックはスクリーニング(ふるい分け)目的の検査であり、それ単独で認知症の確定診断を行うものではありません。検査で認知機能低下が示唆された場合は、さらに詳しい神経心理検査・髄液検査・SPECTなどの追加検査を含めた精査を、同院で継続的に行います。

Q4. 家族も一緒に受けられますか?

はい、ご夫婦やご家族でのご受診も歓迎しております。来院時間を分けてのご予約となりますが、結果説明は同日にまとめて行うこともご相談可能です。詳しくはご予約時にお問い合わせください。

Q5. 認知症ドックで異常がなかった場合、次はいつ受ければよいですか?

結果に応じて2〜5年に1度のペースをご提案することが多いですが、年齢、家族歴、生活習慣リスク、前回の所見などにより目安は変わります。面談時に個別にご案内いたします。

Q6. 採血ではどのような項目を測定しますか?

当院では血算・生化学・免疫学的検査(甲状腺機能を含む)などの一般採血に加え、HOMA‑IR・ホモシステインをはじめとする認知症・脳卒中リスクに関連する複数の項目を測定します。項目の一覧は診察時に個別にご案内しますが、生活習慣の改善や治療で数値を変えられる指標を中心に組み合わせており、面談で「いま変えられる」優先順位をお伝えします。

東京・吉祥寺で認知症ドックを受けるなら

当院の認知症・脳卒中ドックは、吉祥寺駅から徒歩1分の立地で、神経内科専門医が直接対応する設計です。

  • 3テスラMRI+頸動脈MRAを含む高解像度画像評価
  • 神経内科専門医・指導医による直接面談(東京大学医学部医学科卒)
  • 異常時は同じ施設で継続フォロー可能(別の病院を探す必要なし)

東京で脳ドックを選ぶ際の比較ポイントは、別記事「東京で脳ドックを選ぶ7つのポイント」(公開予定)でも詳しく整理しています。

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  • Essential 99,000円 画像+採血+認知機能
  • Advanced 149,000円 +最長5日ホルター心電図
  • Executive 249,000円 +全身がん検査MRI

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参考文献

  1. Willette AA, et al. Insulin resistance, cerebral glucose metabolism and memory in midlife. JAMA Neurol. 2015. PubMed
  2. Seshadri S, et al. Plasma homocysteine as a risk factor for dementia and Alzheimer’s disease. N Engl J Med. 2002. PubMed
  3. Kalantarian S, et al. Cognitive impairment associated with atrial fibrillation: meta‑analysis. Ann Intern Med. 2013. PubMed
  4. Petersen RC, et al. Mild cognitive impairment: ten years later. Arch Neurol. 2009. PubMed
  5. van Dyck CH, et al. Lecanemab in Early Alzheimer’s Disease. N Engl J Med. 2023. PubMed
大崎 雅央 院長の写真

この記事の監修者

大崎 雅央(おおさき まさお)/院長

東京大学医学部医学科 卒業
日本神経学会 神経内科専門医・指導医/日本内科学会 総合内科専門医
東京大学医学部附属病院・虎の門病院などでの臨床経験

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本記事は認知症・脳卒中の検査に関する一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を保証するものではありません。実際の検査・診療内容、適応の判断、結果の解釈はご来院時の診察に基づいて個別にご案内いたします。最新のガイドラインや製剤の適応は変更される場合があります。