【吉祥寺徒歩1分】脂質異常症(コレステロール)外来

目次

60秒でわかる脂質異常症外来

  • 健診で LDLコレステロール・中性脂肪・non-HDL を指摘されたときに、何科へ相談するか迷ったら入り口になれるページです。
  • 脳梗塞・TIA・心筋梗塞の既往 がある方では目標値が厳しくなるため、健診結果だけでなく全身リスクと一緒に考えます。[1][2]
  • 家族性高コレステロール血症 を疑う所見や、若い頃から高値が続くケースも相談対象です。[1]
  • 必要に応じて ApoB・non-HDL・Lp(a) まで見ながら、生活改善と薬の使い分けを整理します。[2][7]

こんな方が相談しやすいページです

  • 健診で LDLが高い・中性脂肪が高い と言われた。
  • 何科に行くべきか 迷っている。
  • 脳梗塞・TIA・心筋梗塞のあとで コレステロール目標 を確認したい。
  • 家族に若い頃の心筋梗塞や高コレステロールの方がいて、体質性の脂質異常症 が気になる。
  • 健診結果を見ながら、生活改善と薬の必要性を 外来で整理したい
目次
読む目安:6分前後

脂質異常症は、単に「コレステロールが高い」という話ではなく、将来の脳梗塞・心筋梗塞リスク と結びつけて考える病気です。とくに健診で指摘された方は、1回の採血だけで判断せず、これまでの数値、家族歴、喫煙、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病などを合わせて見ていくことが大切です。[1][2]

このページでは、受診の目安・何科に相談するか・どんな数値で相談を考えるか を前半で先に整理し、そのあとに診断基準、追加指標、治療の進め方までまとめています。健診結果を見ながら相談したい方は、外来予約から進んでください。

健診結果や採血結果を見ながら相談したい方はこちら

健診でコレステロールや中性脂肪を指摘されたら

健診で異常を指摘されても、1回の採血だけで最終判断しない ことがあります。採血時の食事、体重変化、飲酒、服薬状況でも数値は動くため、直近の採血結果と全身リスクを合わせて 受診の必要性や治療強度を決めます。[1]

  • LDLや中性脂肪が少し高いだけでも、脳梗塞・TIA・心筋梗塞の既往 がある方では早めに相談しやすいです。[6]
  • 高血圧・糖尿病・慢性腎臓病・喫煙・家族歴が重なると、同じ数値でも受診の意味が大きくなります[2]
  • 中性脂肪がかなり高い場合は、心血管リスクだけでなく 膵炎予防 の観点でも早めの相談を考えます。[4]

早めに相談しやすいケース

LDL高値が続く、TGが高い、HDLが低い、既往歴がある、家族に若い頃の心筋梗塞や脳梗塞が多い場合です。

様子を見るだけにしにくいケース

脳梗塞・TIA・心筋梗塞の既往、糖尿病・CKD の合併、若年からの高値、妊娠希望中の薬相談などです。

受診時に持参いただきたいもの

  • 健診結果や直近の採血結果
  • お薬手帳、現在飲んでいるサプリや市販薬の情報
  • 脳梗塞・TIA・心筋梗塞の既往があれば、退院サマリーや検査結果
  • 家庭で記録している血圧・体重・飲酒量があれば、その記録
受診の目安

健診異常は「すぐ薬が必要か」だけでなく、将来リスクをどのくらい下げたいか を決める入り口です。結果票を持って相談すると、必要な再検や治療の優先順位を整理しやすくなります。

脂質異常症は何科を受診するか

脂質異常症は、まず 一般内科で相談しやすいテーマ です。高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、肥満などと一緒に考えることが多く、健診異常からの入り口として自然です。

  • 健診でコレステロールや中性脂肪を指摘された方は、一般内科・総合内科 で相談しやすいです。
  • 脳梗塞・TIA・白質病変がある方では、神経内科の視点で再発予防と一緒に見る 意味があります。[6]
  • 高血圧・糖尿病・CKD をまとめて見直したい方は、同じ外来で全身リスクを整理できるか が大切です。
まとめると:「何科に行けばよいか迷う」段階なら、まずは 内科で全身リスクを整理 し、必要に応じて追加検査や紹介先を考える流れが自然です。

LDLコレステロールや中性脂肪のどの数値で相談を考えるか

診断基準の数字は目安ですが、背景リスクで受診の意味は変わります。同じ LDL 140mg/dL でも、既往歴や家族歴がある方では、より早めに受診したい場面があります。[1][2]

数値の目安 相談を考えたい場面
LDL 140mg/dL以上 健診で繰り返し高い、家族歴がある、既往歴や糖尿病・CKD があるときは早めに相談しやすいです。[1]
中性脂肪 150mg/dL以上(空腹時)
175mg/dL以上(随時)
飲酒や体重増加の影響も見ますが、継続するときは生活改善と原因確認を考えます。[1][4]
HDL 40mg/dL未満 単独よりも、喫煙・肥満・糖代謝異常など他のリスクと一緒に評価することが大切です。[1]
中性脂肪 500mg/dL以上 膵炎予防の観点でも早めの受診を考えます。1000mg/dL 以上では緊急対応が必要なことがあります。[4]
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脳梗塞・TIA・心筋梗塞の既往がある方では、LDL の目標値そのものが未発症より厳しく なります。未発症でも、糖尿病、慢性腎臓病、喫煙、家族歴などを加味して目標設定するのが現在の考え方です。[1][2]

見方のコツ

「基準値を超えたかどうか」だけでなく、既往歴・合併症・家族歴 を一緒に見ると、相談の優先度が判断しやすくなります。

家族性高コレステロール血症を疑うサイン

脂質異常症の中には、体質が関わる 家族性高コレステロール血症(FH) があります。若い頃から LDL がかなり高い方や、家族に若年の心筋梗塞が多い方では、一般的な生活習慣だけでは説明しにくいことがあります。[1]

  • 若い頃から LDL 高値が続く
  • 家族に 若年の心筋梗塞・脳梗塞 が多い
  • LDL 180mg/dL以上 の高値が続く、または治療しても下がりにくい
  • アキレス腱肥厚や黄色腫を指摘されたことがある

こうした所見がある場合は、早めに相談して 家族歴を含めた評価 を行う意味があります。

若い頃から高コレステロールが続く方、家族歴が気になる方はこちら

当院での脂質異常症診療の進め方

初診では、数値だけでなく背景リスクを整理 して、生活改善を優先するか、薬を考えるか、追加評価が必要かを決めていきます。

  1. 健診結果、既往歴、家族歴、喫煙、飲酒、体重変化を確認します。
  2. LDL・TG・HDL を見たうえで、必要に応じて non-HDL・ApoB・Lp(a) を検討します。[2][7]
  3. 高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、脳梗塞・TIA・心筋梗塞の既往を合わせて、目標値を決めます。[1][6]
  4. 食事、運動、飲酒、体重管理の見直しポイントを共有します。
  5. 必要に応じて、スタチン、エゼチミブ、PCSK9阻害薬、高TG への治療を段階的に考えます。[9][10][4]
まとめると:「すぐ薬」か「まず生活改善」かは、健診結果+既往歴+家族歴 を並べて決めていく流れです。

診断基準と評価のポイント

診断の入口は LDL・HDL・中性脂肪ですが、管理は LDL目標をどこに置くか が中心です。中性脂肪が高いときや食後採血では、non-HDL コレステロールも役立ちます。[1]

脂質異常症のタイプ 判定基準(成人)
高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール 140mg/dL以上
低HDLコレステロール血症 HDLコレステロール 40mg/dL未満
高トリグリセライド血症 中性脂肪 150mg/dL以上(空腹時)または 175mg/dL以上(随時)

脳梗塞・心筋梗塞など動脈硬化性疾患の既往がある方では、LDL 100mg/dL未満、さらに高リスクでは 70mg/dL未満 を目標にする考え方が使われます。未発症の方でも、総合リスクに応じて目標設定が変わります。[1][2]

脂質異常症の主なリスク

脂質異常症は多くが 自覚症状なし で進みますが、放置すると動脈硬化が進み、脳や心臓の病気につながります。

  • 脳梗塞 や TIA の再発リスクが上がります。[6]
  • 心筋梗塞・狭心症 のリスクが上がります。
  • 高LDL は、将来の 認知機能低下リスク の観点でも対策可能な因子として位置づけられています。[3]
  • 中性脂肪が極端に高い場合は、急性膵炎 にも注意が必要です。[4]
リスク管理

LDL を下げる治療は、心筋梗塞や脳卒中など主要イベントの減少 につながることが大規模解析で示されています。[5]

追加指標:non-HDL・ApoB・Lp(a)

脂質異常症の外来では、基本は LDL を軸に考えますが、数値の解釈を補うために追加指標が役立つことがあります。

  • non-HDLコレステロール は、動脈硬化性リポ蛋白の合計を見る指標で、中性脂肪が高いときにも使いやすいです。[1]
  • ApoB は「悪玉を運ぶ粒の数」をみる指標で、糖尿病や高TG例で参考になります。[2]
  • Lp(a) は体質性に高くなりやすい LDL様粒子で、高値なら LDL をより丁寧に下げる考え方が基本です。[7]
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専門的な指標は全員に必要とは限りませんが、家族歴が強い、TGが高い、リスクのわりに経過が説明しにくい ときには判断材料になります。

治療(生活習慣+薬の段階的追加)

1)まず見直すこと

  • 食事は 魚・豆・野菜・海藻・きのこ を増やし、揚げ物、加工肉、菓子類、飽和脂肪を減らします。[8]
  • 体重管理、運動、飲酒の見直しは、中性脂肪や LDL の改善に役立ちます。
  • 甲状腺機能低下症、糖尿病、薬剤性など 二次性の原因 がないかも確認します。[1]

2)薬を考える場面

  • スタチン は LDL 低下の基本薬です。必要な低下量に応じて強度を選びます。[5]
  • 未達時には エゼチミブ を追加し、それでも足りないときに PCSK9阻害薬を考えます。[9][10]
  • 中性脂肪がかなり高いときは、まず LDL 管理を整えつつ、膵炎予防の観点から追加治療を考えます。[4]
まとめると:治療は 生活改善が土台 で、目標未達や既往歴があるときに スタチンを中心に段階的に追加 していきます。

再診までの見直しポイント

このページを再訪するときは、前回より何が変わったかを同じ基準で見比べると役立ちます。

  • LDL・中性脂肪・体重は前回よりどう動いたか
  • 飲酒量、間食、外食、運動量に変化があったか
  • 薬を飲み始めた、増量した、飲みにくさが出た、筋症状があったか
  • 血圧や血糖、腎機能など 他のリスク因子 に変化があったか
見返し用

再診時は「数値が高いか低いか」だけでなく、生活の変化と薬の続けやすさ を一緒に確認すると、次の一手を決めやすくなります。

食事と生活で見直したいポイント

  • 主菜は魚を増やし、肉は赤身中心に。揚げ物は回数を絞る。
  • 副菜は毎食、野菜・海藻・きのこを入れる。
  • 主食は雑穀米、玄米、全粒パンなども活用する。
  • 豆製品を取り入れて、動物性脂肪の置き換えを意識する。
  • 中性脂肪が高い方は、飲酒量と甘い飲み物・菓子類を特に見直す。

食事だけで全てが決まるわけではありませんが、健診で再び同じ指摘を受けないための土台 として重要です。[8]

よくある質問

脂質異常症は何科に相談すればよいですか?

健診でコレステロールや中性脂肪を指摘された段階なら、まずは一般内科・総合内科で相談しやすいです。脳梗塞・TIA の既往がある方では、再発予防の視点を含めて見る意味があります。

健診で LDL が高いと言われたら、すぐ受診した方がよいですか?

1回の採血だけで急いで薬になるとは限りませんが、既往歴、家族歴、糖尿病、慢性腎臓病などがある方では早めに相談しやすいです。結果票を持参すると判断しやすくなります。

中性脂肪が高いときは何を優先して見直しますか?

飲酒、体重、甘い飲み物や菓子、食後採血の影響をまず確認します。かなり高いときは膵炎予防も視野に、禁酒や追加治療を考えることがあります。[4]

家族性高コレステロール血症はどう見分けますか?

若い頃から高LDLが続く、家族に若年の心筋梗塞が多い、LDLがかなり高い、アキレス腱肥厚や黄色腫があるなどが手がかりです。家族歴を含めて評価します。[1]

薬はいつから必要になりますか?

数値だけでなく、既往歴や合併症、生活改善でどこまで下がりそうかで決まります。脳梗塞・心筋梗塞の既往がある方では、未発症の方より早めに薬を考えることがあります。[6]

脂質異常症があると脳梗塞リスクは高くなりますか?

はい。とくに LDL 高値は動脈硬化に関わり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクと関係します。既往がある方では、LDL 目標をより厳しくする考え方が使われます。[5][6]

ApoB と Lp(a) は検査する意味がありますか?

ApoB は悪玉を運ぶ粒の数、Lp(a) は体質性に高くなりやすい LDL様粒子です。全員に必要とは限りませんが、家族歴が強いときや TG が高いときに判断材料になります。[2][7]

スタチンの副作用が心配です。

重い筋障害はまれで、全体として利益が上回ることが示されています。症状がある場合は薬の変更や投与方法の工夫で調整できることがあります。[5][2]

大﨑 雅央 院長の写真

この記事の監修者

院長 大﨑 雅央(Masao Osaki)

吉祥寺おおさき内科・脳神経内科
日本神経学会 神経内科専門医/日本内科学会 総合内科専門医

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参考文献

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  • [1] Japan Atherosclerosis Society (JAS) 2022. Guidelines for Prevention of Atherosclerotic Cardiovascular Diseases. J Atheroscler Thromb. 2024. J‑STAGE
  • [2] Mach F, et al. 2019 ESC/EAS Guidelines for the management of dyslipidaemias. Eur Heart J. 2020;41(1):111‑188. PubMed: 31504418
  • [3] Livingston G, et al. Dementia prevention: 2024 report of the Lancet Standing Commission. Lancet. 2024;404(10452):572‑628. PubMed: 39096926
  • [4] Virani SS, et al. ACC ECDP on Persistent Hypertriglyceridemia. JACC. 2021. PubMed: 34332805
  • [5] CTT Collaboration. Intensive LDL lowering: meta‑analysis of 26 RCTs. Lancet. 2010;376:1670‑1681. PubMed: 21067804
  • [6] Amarenco P, et al. Treat Stroke to Target. NEJM. 2020;382:9‑19. PubMed: 31738483
  • [7] Kronenberg F, et al. EAS Consensus on Lipoprotein(a). Eur Heart J. 2022. PubMed: 36036785
  • [8] Appel LJ, et al. OmniHeart randomized trial. JAMA. 2005;294:2455‑2464. PubMed: 16287956
  • [9] Cannon CP, et al. IMPROVE‑IT. NEJM. 2015. PubMed: 26039521
  • [10] Sabatine MS, et al. FOURIER(evolocumab). NEJM. 2017. PubMed: 28304224