神経内科専門医・総合内科専門医が診療

脳梗塞になりやすい人の特徴

年代・生活習慣・家族歴で、脳梗塞のなりやすさは変わります。まず今のリスクを確認しましょう。

  • 吉祥寺駅徒歩1分
  • リスクの相談可
  • 脳ドック相談可
  • RISK 血圧・血糖・脂質
  • AGE 20〜60代で確認
  • CHECK 画像・採血・生活

60秒でわかる 脳梗塞になりやすい人

  • 脳梗塞になりやすさには危険因子があり、心房細動では脳卒中(脳塞栓)のリスクが約5倍に高まるとされます。また高血圧は、脳卒中全体の約半分に寄与するとの国際研究もあります。いずれも集団での目安で、個人の将来を断定する数字ではありません。12
  • 年齢は最大の要因の一つですが、20〜40代でも脳梗塞は起こります。若い世代では、生活習慣・脱水・他の病気が背景にあることもあります。
  • 家族に脳梗塞・脳出血の方がいると、なりやすさがやや上がることがあります。ただし「家族歴がある=必ず発症」ではなく、生活の見直しで下げられる部分が多くあります。6
  • 今、顔のゆがみ・片側の脱力・ろれつの異常など新しい症状があるときは、リスクの話より先に救急相談を優先してください。
  • 当院ではリスクの確認を、認知症・脳卒中ドックや外来で行います。治療が必要な所見(高血圧・不整脈など)があれば、そのまま保険診療で継続します。

脳梗塞のなりやすさの多くは、血圧・血糖・脂質・喫煙・体重・不整脈など、確認して手を打てる要因です。年齢や家族歴が気になる方ほど、まず今の状態を知ることが大切です。

院長・神経内科専門医 大﨑 雅央
WHO

脳梗塞になりやすい人の特徴

結論なりやすさは、変えられる要因(生活習慣病・喫煙・飲酒・肥満・運動不足・不整脈)と、変えにくい要因(年齢・家族歴・性別・既往)の重なりで決まります。多くは、確認して手を打てる側にあります。

詳しく読む(危険因子の全体像)

脳梗塞は、脳へ血液を送る血管が詰まり、脳の一部に血流が届きにくくなる病気です。背景には高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、心房細動、肥満、運動不足などが重なることがあります。32

「なりやすい性格」や「ストレス」が気になる方もいます。ストレスだけで脳梗塞が決まるわけではありませんが、睡眠不足、血圧上昇、喫煙・飲酒量の増加、運動不足を通じて、結果として血管リスクに関わることがあります。

大切なのは、変えにくい要因だけに目を向けるのではなく、変えられる要因を一つずつ整えることです。健診結果、家庭血圧、体重、喫煙、飲酒、運動習慣を並べるだけでも、次に見るべき優先順位が見えやすくなります。

因子影響の方向見直せること
高血圧血管に負担がかかり、脳梗塞・脳出血の背景になります。家庭血圧を記録し、健診や外来で目標を確認します。
糖尿病・血糖高値動脈硬化や細い血管の障害に関わります。HbA1c、空腹時血糖、薬の継続を確認します。
脂質異常症LDLコレステロールなどが動脈硬化と関係します。採血値と心血管リスクを合わせて見ます。
喫煙・多量飲酒血管、血圧、心房細動などに複数の経路で関わります。禁煙、節酒を一度に完璧にではなく続けやすい形で始めます。
睡眠時無呼吸症候群夜間の低酸素や血圧上昇を通じて、脳卒中リスクに関わります。大きないびき、睡眠中の無呼吸、日中の眠気があれば確認します。
心房細動などの不整脈心臓でできた血栓が脳へ飛ぶタイプの脳梗塞に関わります。健診心電図、動悸、脈の乱れの指摘を確認します。
年齢・家族歴変えにくい要因ですが、確認する意味があります。変えられる危険因子を早めに整えるきっかけにします。
RISK CHECK

脳梗塞リスク セルフチェック(対話型)

結論これは診断ではなく、受診で確認したい「なりやすさの目安」を知るためのチェックです。該当が多いほど、画像・採血で背景を確認しておくと安心です。今、新しい症状があるときは救急相談を優先してください。

当てはまる項目を選ぶと、確認しておきたい目安が表示されます。急な片側の脱力、顔のゆがみ、ろれつの異常などがある場合は、このチェックではなく救急相談を優先してください。

※ 全項目1点、0〜1項目をlow、2〜3項目をmid、4項目以上をhighとして表示します。項目数は受診前に確認したい点を見るためのもので、病気の有無を決めるものではありません。

詳しく読む(チェック結果の見方)

このチェックは、症状がない時期に「どの背景を確認したいか」を見るためのものです。急に片側の力が入らない、言葉が出にくい、顔がゆがむ、視野が欠けるなどの症状があるときは、チェック結果にかかわらず救急相談を優先してください。

該当項目が多い場合も、ただちに脳梗塞が起きると決めるものではありません。血圧、血糖、脂質、不整脈、画像所見を合わせて確認すると、次に何を見直すべきかが分かりやすくなります。

AGE

年代別に見る脳梗塞のなりやすさ

結論年齢は主要因の一つですが、若い世代でも脳梗塞は起こりえます。20〜30代、40代、50〜60代で、見るべき背景が少しずつ変わります。

詳しく読む(年代別の注意点)

脳梗塞は年齢とともに増えますが、「若ければ大丈夫」とは言い切れません。特に喫煙、脱水、生活習慣病、心臓・血液の病気、女性ホルモンに関わる薬剤などが重なると、若年でも確認が必要になることがあります。

年代別には、健診値が出始める時期、生活習慣病が重なりやすい時期、不整脈や血管の変化を意識する時期に分けて考えると、自分が何に気をつければよいか分かりやすくなります。

20〜30代

頻度は高くありませんが、20代・30代でも脳梗塞は起こることがあります。脱水、喫煙、睡眠不足、基礎疾患、血液が固まりやすい背景などを確認します。

前兆のある片頭痛とエストロゲン含有製剤の注意点は、閃輝暗点と脳梗塞・ピルの注意で詳しく解説しています。

40代

40代では、健診で血圧、血糖、脂質、腹囲を指摘され始める方が増えます。数値が軽い段階でも、喫煙、飲酒、睡眠時無呼吸症候群、家族歴が重なると、生活と検査で何を優先するかを早めに確認する意味があります。

50〜60代

50〜60代では、高血圧、糖尿病、脂質異常症に加え、心房細動などの不整脈、血管の狭窄、無症候の画像所見を確認する意義が上がります。頸動脈は当院ドックでは頸動脈MRAで評価します。

GENETICS / FAMILY

遺伝・家族歴と脳梗塞

結論家族に脳梗塞・脳出血の方がいると、なりやすさがやや上がることがあります。多くは、遺伝だけでなく、血圧・食事・体格・喫煙など共有しやすい生活背景も含めて考えます。6

詳しく読む(家族歴の受け止め方)

「脳梗塞は遺伝しますか」と相談されることがあります。家族歴は参考になりますが、家族歴があるから必ず発症する、家族歴がないから安心、という単純な関係ではありません。

まれにCADASILなど遺伝性の脳小血管病が関係することもありますが、多くの方では、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、運動不足など、家族で似やすい生活背景と重なって見ます。7

脳ドックやMRIでラクナ梗塞・隠れ脳梗塞を指摘された方は、所見の意味をラクナ梗塞・隠れ脳梗塞の解説で確認できます。

気になる背景見方確認したいこと
親・きょうだいに脳梗塞がある家族歴として参考にします。自分の血圧、血糖、脂質、喫煙、体重を確認します。
若い年齢で家族が発症したまれな背景疾患も含めて、経過を丁寧に聞きます。発症年齢、病名、画像所見、他の家族歴を確認します。
家族歴はないが不安が強い家族歴だけでなく、現在の数値と生活を見ます。健診結果、家庭血圧、症状の有無を確認します。
MODIFIABLE

変えられる危険因子(見直せるところ)

結論高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙・多量飲酒・肥満・運動不足は、いずれも見直せる要因です。続けやすいところから始めることが大切です。328

詳しく読む(見直しの第一歩)

血圧が高い方は高血圧症外来、血糖が気になる方は糖尿病外来、LDLコレステロールや中性脂肪が高い方は脂質異常症外来で継続的に確認します。

水分不足が気になる場合は、夏場や発熱・下痢など脱水になりやすい場面で注意します。ただし、水分だけで脳梗塞のなりやすさが決まるわけではなく、血圧・血糖・脂質・不整脈・睡眠時無呼吸症候群などの全体像で見ます。

大きないびき、睡眠中に息が止まると言われる、日中の眠気が強い場合は、睡眠時無呼吸症候群も確認したい要因です。睡眠時無呼吸症候群は、肥満や高血圧と重なりやすい一方で、それとは別に確認したい大事な危険因子でもあります。夜間の低酸素や血圧上昇を通じて、脳卒中リスクに関わるとされています。45

因子なぜ関係するか見直しの第一歩相談先
高血圧血管への負担が続きます。家庭血圧を朝・夜で記録します。高血圧症外来
糖尿病血管の障害や動脈硬化と関係します。HbA1cと薬の継続を確認します。糖尿病外来
脂質異常症動脈硬化の進行と関係します。LDL、中性脂肪、既往歴を合わせて見ます。脂質異常症外来
喫煙血管や血液、心血管リスクに関わります。本数を把握し、禁煙方法を相談します。内科・生活習慣病外来
多量飲酒血圧、不整脈、睡眠に影響します。休肝日と1回量を見直します。内科・生活習慣病外来
睡眠時無呼吸症候群夜間の低酸素、血圧上昇、不整脈を通じて脳卒中リスクに関わります。大きないびき、睡眠中の無呼吸、日中の眠気を確認します。睡眠時無呼吸症候群外来
肥満・運動不足血圧、血糖、脂質に影響します。まず歩数や座位時間を見える化します。内科・生活習慣病外来
WOMEN

女性特有のリスク(ピル・妊娠・更年期)

結論女性では、エストロゲン含有製剤(ピル等)・妊娠・更年期がリスクに関わることがあります。特に前兆のある片頭痛とエストロゲン含有製剤の組み合わせは注意して確認します。9

詳しく読む(女性で確認したい背景)

視界がチカチカする前兆を伴う片頭痛があり、エストロゲン含有製剤を使っている方は、自己判断で中止せず、処方元と相談してください。詳しくは閃輝暗点と脳梗塞・ピルの注意をご覧ください。

当院ではホルモン製剤の処方・中止判断を行う場ではありませんが、頭痛、前兆、しびれ、健診結果、家族歴などを確認し、必要に応じて処方元や専門科で相談しやすい形にまとめます。

エストロゲン含有製剤と前兆のある片頭痛

前兆のある片頭痛では、脳梗塞リスクとの関連が報告されています。喫煙、高血圧、年齢などが重なる場合は、処方元で避妊方法や薬剤の選択を相談します。

妊娠・産後・更年期

妊娠・産後、更年期では、血圧、体重、睡眠、ホルモン変化、片頭痛の変化を合わせて確認します。突然の神経症状がある場合は、通常の外来予約ではなく救急相談を優先します。

REDUCE

脳梗塞のリスクを下げるには

結論リスクは「消す」より、「上げない・下げる」と考えると続けやすくなります。血圧・血糖・脂質・禁煙・節酒・運動・睡眠時無呼吸を、無理なく続けられる形で確認します。

詳しく読む(続けやすい下げ方)

最初に見るべきは血圧です。家庭血圧を記録し、健診値や採血と合わせて、どの数値から整えるかを決めます。食事・運動の細かな方法は、一次予防・再発予防の文脈で分けて考えます。

具体的な予防の考え方は、脳梗塞の予防・再発予防で詳しく解説しています。

  • 家庭血圧を記録し、外来で目標を確認する。
  • 健診結果のHbA1c、LDLコレステロール、中性脂肪を見直す。
  • 喫煙している場合は、本数を把握し禁煙の方法を相談する。
  • 飲酒量が多い場合は、休肝日と1回量から調整する。
  • 運動は急に強くするより、歩数・座位時間の見える化から始める。
  • 大きないびき・睡眠中の無呼吸・日中の眠気がある場合は睡眠時無呼吸症候群を確認する。
VISIT

ドックと外来の選び方

結論症状・治療中の病気の相談は外来、症状がなくリスクをまとめて確認したいならドックが入口です。目的を分けると、受ける場所を選びやすくなります。

詳しく読む(向いている入口と持参物)

いま片側の麻痺、ろれつの異常、視野の異常などがある場合は、ドックや通常外来ではなく救急相談を優先します。症状がなく、将来の不安や家族歴、健診の指摘をまとめて確認したい場合は、認知症・脳卒中ドックが入口になります。

高血圧・糖尿病・脂質異常症を治療したい・している方は、生活習慣病外来が相談の入口です。頸動脈評価は当院ドックでは頸動脈MRAで行い、外来導線は生活習慣病の治療相談に絞って案内します。

状況向いている入口持参・準備するとよいもの
症状はないが家族歴や健診結果が心配認知症・脳卒中ドック健診結果、家庭血圧、服薬情報
高血圧・糖尿病・脂質異常症を治療したい生活習慣病外来健診結果、お薬手帳、家庭血圧
MRIでラクナ梗塞・白質病変を指摘された脳ドック結果説明または外来画像CD、結果票、紹介状があれば持参
脳梗塞・TIA後の薬や再発予防を相談したい脳卒中後再発予防外来退院サマリー、お薬手帳、検査結果
FAQ

脳梗塞になりやすい人のよくある質問

脳梗塞になりやすいのはどんな人ですか?

高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、多量飲酒、肥満、運動不足、心房細動などが重なる人では、脳梗塞のなりやすさを確認する意味があります。年齢、家族歴、過去の脳卒中・TIAも参考にします。

20代・30代でも脳梗塞になりますか?

頻度は高くありませんが、20代・30代でも脳梗塞は起こることがあります。脱水、喫煙、基礎疾患、血液が固まりやすい背景、女性ホルモンに関わる薬剤などを含めて確認します。

ストレスは脳梗塞の原因になりますか?

ストレスだけで脳梗塞が決まるわけではありません。ただし、血圧上昇、睡眠不足、喫煙・飲酒量の増加、運動不足などを通じて、血管リスクに関わることがあります。

お酒・タバコはどのくらい関係しますか?

喫煙は脳卒中や心血管病のリスクと関係します。飲酒は量が多い場合、血圧や不整脈、睡眠に影響します。禁煙・節酒は、他の危険因子と合わせて見直したい項目です。

いびきや睡眠時無呼吸症候群は脳梗塞のリスクですか?

大きないびきそのものだけで判断はできませんが、睡眠中に息が止まる、日中の眠気が強い、起床時の頭痛がある場合は、睡眠時無呼吸症候群を確認したいサインです。肥満や高血圧と重なりやすい一方で、それとは別に確認したい大事な危険因子でもあり、夜間の低酸素、血圧上昇、不整脈などを通じて脳卒中リスクに関わるとされています。

脳梗塞は遺伝しますか?家族に脳梗塞の人がいます

家族に脳梗塞・脳出血の方がいると、なりやすさがやや上がることがあります。ただし、家族歴があるから必ず発症するわけではありません。血圧、血糖、脂質、喫煙など、変えられる要因を整えることが大切です。

水分不足で脳梗塞になりやすくなりますか?

脱水は血液が濃くなる方向に働くため、夏場や発熱・下痢などでは注意が必要です。ただし、水分だけで脳梗塞のリスクが決まるわけではなく、血圧・血糖・脂質・不整脈などの全体像で見ます。

なりやすいか調べるにはどんな検査をしますか?

目的により、MRI/MRA、頸動脈MRA、採血、血圧、心電図などを組み合わせます。当院の認知症・脳卒中ドックでは、頸動脈はMRAで評価します。ホルター心電図はAdvanced・Executiveコースで確認します。

脳ドックと外来、どちらを受ければよいですか?

症状がなく、画像・採血・血管リスクをまとめて確認したい場合は脳ドックが入口です。高血圧・糖尿病・脂質異常症の治療相談、脳梗塞後の薬や再発予防の相談は外来が入口です。急な症状がある場合は救急相談を優先してください。

血圧が高めですが治療は必要ですか?

治療の必要性は、家庭血圧、年齢、糖尿病・脂質異常症、腎機能、過去の病気などを合わせて判断します。健診で高めと言われた場合は、家庭血圧を記録して外来で相談してください。

女性で気をつけることはありますか?

前兆のある片頭痛、エストロゲン含有製剤、妊娠・産後、更年期、喫煙、高血圧などを合わせて確認します。ホルモン製剤の処方や中止は、自己判断ではなく処方元と相談してください。

REFERENCES

参考文献

参考文献を表示
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