吉祥寺おおさき内科・脳神経内科 院長
大﨑 雅央
東京大学医学部卒神経内科専門医総合内科専門医
プロフィール
60秒でわかる脳梗塞の再発予防
- 脳梗塞は再発率の見方が重要です。世界のメタ解析と日本の地域研究では数字に幅があります。1年・5年・10年の時間軸で確認します。
- 薬は自己判断で止めないことが基本です。抗血小板薬・抗凝固薬は病型で役割が違います。飲み忘れ、副作用、出血時も自己判断で中断せず相談します。
- 血圧・LDL・HbA1c・心房細動を数値で見ます。家庭血圧、採血、腎機能、肝機能、心電図を組み合わせて、外来で継続しやすい管理にします。
- 急な片麻痺・ろれつ障害・視野欠損は救急です。救急対応後・退院後の再発予防、薬の継続、血圧・脂質管理は外来で相談できます。急な症状は外来予約ではなく救急優先です。
脳梗塞予防は、特別なことを一気に始めるより、血圧・薬・食事・運動を続けられる形に整えることが大切です。ご本人の状況に合わせて、無理なく続けられる方針を一緒に考えます。
院長・神経内科専門医 大﨑 雅央
予防中でも急な症状では救急相談を優先してください
結論突然の片麻痺、ろれつ障害、視野欠損、意識障害、これまでにない強い頭痛がある場合は、予防外来ではなく救急相談・救急受診を優先してください。このページは、救急対応後・退院後、または急な症状がない時期の予防・慢性期の方針を考えるための情報です。
救急受診の目安を確認する
- 片側の手足に力が入らない、しびれる
- 顔がゆがむ、笑顔が左右非対称になる
- ろれつが回らない、言葉が出ない
- 視野が欠ける、片目が急に見えにくい
- 意識がおかしい、急にぼんやりする
- これまでにない強い頭痛が突然出た
まとめ急な症状は時間との勝負です。予防の相談と、発症時の救急対応は分けて考えましょう。
脳梗塞の再発率はどのくらいか
結論脳梗塞・脳卒中の再発率は、研究対象や時代、病型によって幅があります。世界のメタ解析では5年で約26%、日本の久山町研究では5年35.3%、10年51.3%と報告されています。数字を一つだけで断定せず、時期と病型で見ます。12
詳しく読む(数字の違い)
- 再発リスクは最初の数日〜数か月で高く、長期でも続くため、退院後に薬と危険因子管理を途切れさせないことが重要です。
- 日本の久山町研究では、心原性脳塞栓症の10年再発率がラクナ梗塞より高いことも示されています。病型により重点管理が変わります。2
- 再発率は「自分も必ず再発する」という意味ではありません。薬、血圧、LDL、血糖、心房細動、禁煙、運動、食事を継続して下げていく対象です。34
| 時期 | 世界のメタ解析 | 日本の久山町研究 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 30日 | 約3.1% | 研究により差があります | 発症直後〜退院後早期は特に注意します。 |
| 1年 | 約11.1% | 約12.8% | 薬の継続、家庭血圧、採血、心電図確認を軌道に乗せる時期です。 |
| 5年 | 約26.4% | 35.3% | 長期の通院・生活習慣の継続で差が出やすい時期です。 |
| 10年 | 約39.2% | 51.3% | 病型や年齢、治療継続により個人差があります。 |
なぜ数字に幅があるのか
再発率は、対象が脳梗塞だけか脳卒中全体か、急性期治療や二次予防薬がどの時代のデータか、病型の割合、年齢構成で変わります。
そのため、検索で見つかる「5年20〜30%」「5年35%前後」はどちらか一方だけを正解とせず、研究差として説明する方が実態に合います。
まとめ再発率は不安をあおる数字ではなく、薬と数値管理を続ける理由を確認するための目安です。
再発予防で最初に外せないこと
結論脳梗塞・TIA後の薬は、自己判断でやめないことが基本です。薬の種類は病型で異なります。非心原性脳梗塞では抗血小板薬、心原性脳塞栓症では抗凝固薬が中心になります。34
詳しく読む(薬をやめる前に相談したい場面)
- 飲み忘れが続く、出血しやすい、副作用が心配、手術や歯科処置がある場合も、自己判断で中断せず処方医に相談します。
- 軽症脳梗塞・高リスクTIAでは、短期間だけ二剤併用抗血小板療法を行うことがあります。長期併用は原則として慎重に判断します。5673
- ワルファリン、DOAC、抗血小板薬では確認する採血や注意点が違います。お薬手帳と退院時説明を外来に持参すると整理しやすくなります。
| 病型 | 再発しやすい背景 | 主な薬 | 外来で見ること |
|---|---|---|---|
| ラクナ梗塞 | 高血圧や小血管病変が関係します | 抗血小板薬単剤が基本です | 家庭血圧、腎機能、糖尿病、微小出血の有無など |
| アテローム血栓性脳梗塞 | 頸動脈・頭蓋内動脈の動脈硬化が関係します | 抗血小板薬、スタチンなど | LDL、頸動脈/脳血管評価、血圧、喫煙など |
| 心原性脳塞栓症 | 心房細動など心臓由来の血栓が関係します | DOACまたはワルファリンなどの抗凝固薬 | 腎機能、肝機能、出血リスク、心電図、脈の確認など |
薬をやめるとどうなるか
抗血小板薬や抗凝固薬は、血栓を作りにくくして再発を減らす目的で処方されます。中断が必要な場面もありますが、自己判断の中断は再発リスクにつながります。
出血、皮下出血、胃腸症状、ふらつき、腎機能低下、手術予定などがある場合は、薬を止める前に処方医へ相談してください。
急性期DAPT(二剤併用抗血小板療法)は短期戦略
軽症脳梗塞・高リスクTIAでは、発症早期から短期間だけアスピリンとクロピドグレルなどを併用することで再発を減らせることがあります。56
ただし出血リスクも増えるため、誰にでも長期間行う治療ではありません。現在は短期間行い、その後は単剤へ戻す考え方が一般的です。3
まとめ薬は「一度出たら何も考えず続ける」ものではなく、病型、腎機能、出血リスク、生活予定を見ながら、自己判断で途切れない形を作ることが大切です。
数値で管理する再発予防
結論再発予防では、血圧・LDL・HbA1c・心房細動を“見える化”して管理します。目標値は年齢、病型、合併症、出血リスクで個別化します。以下は外来で確認する代表的な項目です。8349
詳しく読む
| 項目 | 何を見るか | なぜ見るか | 相談タイミング |
|---|---|---|---|
| 血圧 | 家庭血圧・外来血圧 | 高血圧は再発予防で最も重要な修正可能因子の一つです | 家庭血圧が高い日が続く、ふらつきがある、薬を飲み忘れる |
| LDLコレステロール | 採血でLDL、HDL、中性脂肪を確認 | アテローム性病変ではLDLをしっかり下げることが再発予防に関係します | 筋肉痛、肝機能異常、薬の追加・変更を相談したい |
| HbA1c・血糖 | HbA1c、空腹時血糖、腎機能を確認 | 糖尿病は脳卒中・心血管イベントのリスクと関係します | 低血糖、体重変化、HbA1c高値、腎機能低下がある |
| 心房細動 | 心電図、脈、必要に応じて長時間ホルター | 心原性脳塞栓症では抗凝固薬継続が再発予防の中心です | 動悸、脈の乱れ、失神、抗凝固薬の飲み忘れがある |
| 腎機能・肝機能 | クレアチニン、eGFR、AST/ALTなど | DOACや脂質治療薬などの用量・安全性に関わります | 採血異常、脱水、薬の変更、複数薬の併用がある |
| INR | ワルファリン使用時のPT-INR | 効きすぎ・不足の両方を避けるために確認します | 食事変化、抗菌薬開始、出血、数値の乱れがある |
まとめ外来では「薬を出す」だけでなく、どの数字をどの頻度で見るかを決めることが再発予防の実務です。
食事と生活習慣で再発を減らす
結論食事の中心は、減塩、DASH食、地中海食です。水分、禁煙、運動、睡眠、飲酒も一緒に整えます。飲酒は予防目的で始めず、飲むならなるべく少なくする考え方へ寄せます。10111213
詳しく読む(食事・水分・生活習慣)
- 食塩は6g/日未満を目安に、加工食品、漬物、汁物、麺類の汁に注意します。
- 夏場、発熱時、下痢・嘔吐時は脱水に注意します。心不全や腎臓病がある方は水分量を主治医と相談してください。
- 禁煙、週150分程度の中強度運動、睡眠時無呼吸の確認、体重管理を組み合わせます。
推奨される食事パターン ― 地中海食・DASH食
PREDIMED試験では、地中海食を継続した群で主要心血管イベントが30%減少しました。10
DASH-Sodium試験では、DASH食と減塩により高血圧群で収縮期血圧が11.5mmHg低下しました。11
積極的に取り入れたいもの
- 魚(週2回以上):サバ、イワシ、サンマ、サケなど
- 野菜・果物:1日5サービング以上を目安に
- 全粒穀物:玄米、全粒粉パン、オートミールなど
- ナッツ類:1日30g程度を目安に
- オリーブオイル、低脂肪乳製品、豆類・大豆製品
控えめにしたいもの・注意したい場面
入浴・排便・夏季脱水での注意点
- 熱い風呂や長風呂での脱水、急な立ちくらみに注意します。
- 便秘で強くいきむ習慣がある方は、便通管理も相談対象です。
- 屋外作業や運動時は、汗をかく前後で水分を分けて取ります。
まとめ食事や生活習慣は、薬の代わりではなく、薬と同時に続ける再発予防の土台です。
退院後フォローで確認すること
結論退院後の最初の3〜6か月は、薬の継続、数値確認、リハビリ継続、生活再建を同時に進めます。初回外来では、退院サマリー、お薬手帳、画像CD、採血結果、家庭血圧の記録があると整理しやすくなります。
詳しく読む(退院後の4つの柱)
| 場面 | 持参・確認するもの | 外来で整理すること |
|---|---|---|
| 初回外来 | 退院サマリー、お薬手帳、画像CD、採血結果 | 病型、退院時の薬、今後の検査・通院間隔 |
| 1〜3か月ごと | 家庭血圧、採血、服薬状況 | 血圧、LDL、HbA1c、腎機能、肝機能、薬の副作用 |
| 心房細動がある方 | 脈の記録、心電図、抗凝固薬の内服状況 | DOAC/ワルファリンの継続、安全性、飲み忘れ対策 |
| 症状が変わったとき | 発症時刻、症状の経過、救急受診歴 | 急な麻痺・ろれつ障害・視野欠損は救急優先 |
処方薬の継続
急性期病院で処方された抗血小板薬、抗凝固薬、降圧薬、スタチンなどは、原則として長期継続を前提に考えます。
出血傾向や副作用がある場合も、自己判断で中断せず、必ず処方医に相談してください。DOACは半減期が短く、飲み忘れが続くと脳梗塞リスクが高まります。15
定期通院・血液検査
退院後は1〜3か月ごとの外来通院を目安に、血圧、LDLコレステロール、HbA1c、腎機能、肝機能を確認します。
ワルファリン使用時はINR、DOAC使用時は腎機能を見ながら、薬の量が合っているかを確認します。
リハビリテーションの継続
回復期リハビリテーション(理学療法・作業療法・言語聴覚療法)は、回復期病院、リハビリ専門施設、通所リハビリなどと連携して進めます。
維持期・生活期の運動継続、嚥下体操、認知トレーニングは、再発予防と機能維持の両面で大切です。
復職・運転・日常生活
復職時期は仕事内容と機能回復度で個別に判断します。
運転再開は、機能、認知、視野、発作の有無を総合的に確認します。意識消失発作、重い片麻痺、視野欠損がある間は運転を控えてください。
まとめ退院後フォローは、薬を続けるだけでなく、病型・検査・生活を同じ表に乗せて確認していく作業です。
一次予防と再発予防の違い
結論一次予防は未発症の方の予防、再発予防は脳梗塞やTIA後の二次予防です。このページでは再発予防を先に説明し、後半で未発症の方の一次予防を整理します。
詳しく読む
- 一次予防では、高血圧・脂質異常症・糖尿病・心房細動・喫煙・運動・食事を整えます。
- 二次予防では、病型に応じた抗血栓薬を続け、再発リスクが高い時期を乗り切ることが大切です。
- 急性期治療には発症4.5時間以内の血栓溶解療法や、画像所見に応じた血栓回収療法があります。平時には、発症・再発を防ぐ準備が大切です。4
| 分類 | 対象 | 中心になること |
|---|---|---|
| 一次予防 | 脳梗塞・TIAをまだ起こしていない方 | 血圧・脂質・血糖・心房細動・喫煙・運動・食事を確認します。 |
| 再発予防(二次予防) | 脳梗塞・TIAを起こしたことがある方 | 病型に応じた薬を続け、血圧・LDL・血糖・心房細動を整えます。 |
まとめ未発症の方は7つのリスク因子、既往がある方は薬の継続とリスク因子の確認が土台です。
未発症でも見直したい7つのリスク因子
結論特に重要な7つは、高血圧・脂質異常症・糖尿病・心房細動・喫煙・運動不足・食事です。INTERSTROKE試験で示された修正可能なリスク因子を、日常診療で一つずつ確認します。16
詳しく読む(7つのリスク因子)
1)高血圧 ― 最大の修正可能因子
高血圧は脳梗塞・脳出血の最大の単独危険因子です。INTERSTROKE試験では、高血圧の人口寄与危険度は47.9%と全因子中最大でした。16
SPRINT試験では、収縮期血圧を厳格に確認することで、心血管イベントが25%、全死亡が27%減少しました。17 日本のガイドラインでは、家庭血圧や外来血圧をもとに個別の目標を考えます。4
2)脂質異常症 ― LDLコレステロールを確認する
SPARCL試験では、TIA・脳梗塞既往患者に高用量スタチンを投与することで再発が16%減少しました。18
Treat Stroke to Target試験では、虚血性脳卒中・TIA既往者でLDLコレステロール70mg/dL未満を目標とすることで、再発・心血管イベントが22%減少しました。8
3)糖尿病 ― 血糖と血管をあわせて見る
糖尿病があると脳梗塞リスクは約2倍になります。16 HbA1cだけでなく、血圧、脂質、体重、腎機能もあわせて確認することが大切です。
糖尿病・高血圧・脂質異常症のいずれかをお持ちの方は、複数のリスクを並行して整えることで予防効果が高まります。19
4)心房細動 ― 抗凝固療法の対象を見極める
心房細動があると脳梗塞リスクは約5倍とされます。心原性脳塞栓症は重症化しやすいため、発見後は脳梗塞リスクと出血リスクを見ながら抗凝固療法を考えます。
DOACはワルファリンと比較して、脳卒中・全身塞栓症リスクを19%、頭蓋内出血リスクを52%減少させたと報告されています。20
5)喫煙 ― 早めの禁煙が有効です
喫煙者の脳梗塞リスクは非喫煙者より高く、INTERSTROKE試験では喫煙の人口寄与危険度が18.9%と報告されています。16
禁煙後は年単位でリスクが下がっていくため、できるだけ早く取り組む価値があります。受動喫煙を減らすことも大切です。
6)運動不足 ― 週150分の有酸素運動
身体活動不足は脳卒中の独立した危険因子です。メタ解析では、身体活動が多い人は虚血性脳卒中リスクが21〜27%低いと報告されています。21
目安は週150分以上の中強度有酸素運動です。早歩き、サイクリング、水泳など、続けやすい形で始めます。22
7)食事 ― 地中海食・DASH食を実践する
地中海食は主要心血管イベントを減らすことが示され、DASH食と減塩は血圧低下に関係します。1011
魚、野菜、果物、全粒穀物、豆類、ナッツ、オリーブオイルを増やし、食塩、加工肉、甘い飲料を控えめにすることから始めます。
まとめ7因子のいずれかに当てはまる方は、健診結果や家庭血圧をもとに早めに方針を考えると、将来の脳卒中リスクを下げやすくなります。
健康診断・脳ドックで何を見つける?
結論無症状の危険因子は、健康診断と脳ドックを組み合わせることで早めに見つけやすくなります。健診は保険診療につながる入口、脳ドックはMRI/MRAまで踏み込む自由診療として役割を分けて考えます。
詳しく読む(健診と脳ドックの役割)
健康診断で押さえる5項目
- 血圧:家庭血圧の記録があると診断精度が上がります。
- 血糖・HbA1c:糖尿病や境界型を確認します。
- 脂質:LDL、HDL、中性脂肪を確認します。
- 心電図:無症候性心房細動の検出につながります。
- 頸動脈エコー・ABI:動脈硬化の評価として選択されることがあります。
脳ドックで分かること(MRI/MRA・血液検査・認知機能)
無症状の段階で、未破裂脳動脈瘤、無症候性脳梗塞、大脳白質病変、脳微小出血、頸動脈狭窄などを画像で評価できます。
無症候期に発見された白質病変、微小出血、無症候性梗塞は、将来の脳卒中・認知症リスクの指標になります。23
家族に脳卒中の既往がある方、高血圧・脂質異常症・糖尿病をお持ちの方、40歳以上で一度もMRIを撮ったことがない方では、脳ドックも選択肢になります。
認知症・脳卒中ドック Advancedの概要
- 費用:Advancedコース 149,000円(税込)※自由診療
- 所要時間:来院2回(検査と結果説明面談)、合計約2時間
- 主なリスク・限界:造影剤は使いません。MRIで100%の脳卒中予測はできず、生活習慣の継続的な確認が必要です。
- 他の選択肢:急な症状では救急相談・救急受診、慢性期の予防相談は外来、検査をご希望でない方は生活習慣の相談から始められます。
まとめ健診は年1回の基本確認、脳ドックは家族歴や複数のリスク因子がある方の追加確認として考えると分かりやすくなります。
脳梗塞は遺伝する?家族歴とライフスタイル
結論第一度近親に脳卒中既往がある方は、ない方と比較して脳梗塞リスクが高くなります。多くは多遺伝子と生活習慣の組み合わせで、早めにリスク因子を確認することが大切です。
詳しく読む(家族歴の考え方)
単一遺伝子疾患はまれです
若年発症や特殊な家族集積パターンを示す場合は、CADASIL、MELAS、ファブリー病、Marfan症候群、Ehlers-Danlos症候群(血管型)など、まれな単一遺伝子疾患を考えることがあります。23
疑われる場合は、大学病院など専門医療機関で遺伝学的検査を含む精査が必要です。
多くの家族集積は多遺伝子+生活習慣です
大部分の家族集積は、高血圧、脂質代謝、糖代謝の遺伝的素因と、食事・運動・喫煙など家族間で共有される生活習慣の組み合わせで説明できます。
「遺伝だから防げない」ではなく、「リスクが高いから早めに確認する」と考えることが大切です。
家族歴がある方への一次予防アプローチ
- 30代から家庭血圧測定を習慣化します。
- 40代以降は1年に1回の健診に加え、必要に応じて脳ドックを検討します。
- 食事・運動・禁煙を、無理のない範囲で続けます。
- 家族の発症年齢が50歳未満の場合は、より早い段階から確認します。
まとめ家族歴は、不安をあおるものではなく、早めに確認するためのサインとして捉えます。
当院での予防診療(神経内科外来・脳ドック)
結論既往者やリスク因子がある方は保険診療の外来、未発症で将来リスクをまとめて知りたい方は脳ドックが選択肢になります。急性期治療、回復期リハビリ、外科治療、遺伝学的検査が必要な場合は、専門施設と連携します。
詳しく読む(外来・脳ドック・連携)
神経内科外来(保険診療)
- 初診:発症経過、既往歴、家族歴、服薬内容を確認し、神経学的診察と必要時の血液検査を行います。
- 再発予防:抗血小板薬・抗凝固薬の処方と用量、血圧・脂質・血糖を確認します。
- 退院後フォロー:急性期病院からの紹介を受け、長期フォローを引き継ぎます。
- 合併症:高血圧、脂質異常症、糖尿病、心房細動をあわせて見ていきます。
認知症・脳卒中ドック(自由診療)
未発症で家族歴や複数のリスク因子がある方には、3テスラMRI/MRA、頸動脈MRA、採血、認知機能評価、心電図を組み合わせた評価が選択肢になります。
詳細・費用は認知症・脳卒中ドックページでご確認ください。
専門施設と連携する医療
- 急性期治療:rt-PA、血栓回収療法、SCU管理などは基幹病院での対応が必要です。急性症状では救急相談・救急受診を優先してください。
- 回復期・維持期リハビリテーション:回復期リハビリ病院、通所リハビリ、リハビリ専門施設と連携します。
- 外科治療:頸動脈内膜剥離術(CEA)や頸動脈ステント留置術(CAS)が必要な場合は、基幹病院へ紹介します。
- 遺伝学的検査:専門医療機関の遺伝診療部門と連携します。
まとめどの段階で、どこに相談すべきか迷う場合は、まず外来で状況を確認し、当院で対応できる範囲と連携先を一緒に考えます。
よくあるご質問(脳梗塞の予防)
Q1.脳梗塞の再発率は1年・5年・10年でどのくらいですか?
Q2.脳梗塞はいつ再発しやすいですか?
Q3.脳梗塞の薬はいつまで飲みますか?
Q4.脳梗塞の薬をやめるとどうなりますか?
抗血小板薬や抗凝固薬は血栓を作りにくくする目的で処方されます。中断が必要な場面もありますが、自己判断でやめると再発リスクにつながります。出血、副作用、手術・歯科処置の予定がある場合は、止める前に相談してください。
Q5.ラクナ梗塞の再発予防で特に大切なのは何ですか?
Q6.心原性脳塞栓症の再発予防で最も重要なのは何ですか?
Q7.脳梗塞の再発予防で血圧はどれくらいを目安にしますか?
Q8.LDLコレステロールはどこまで下げることがありますか?
Q9.HbA1cはどれくらいを目安に考えますか?
合併症予防の観点ではHbA1c 7%未満が一つの目安になります。ただし、高齢の方、低血糖リスクが高い方、腎機能低下がある方では、無理な下げすぎを避けて個別に設定します。9
Q10.心房細動があると再発しやすくなりますか?
Q11.脳梗塞の再発予防で控えたい食べ物はありますか?
Q12.水分補給はどのくらい意識すべきですか?
脱水は血液が濃くなる要因になるため、夏場、発熱時、下痢・嘔吐時、入浴前後、運動時は特に注意します。ただし心不全や腎臓病がある方は、水分量を主治医と相談してください。
Q13.退院後は何科にどのくらい通いますか?
急性期治療後は、脳神経内科、脳神経外科、循環器内科、かかりつけ内科、リハビリ施設などが連携します。退院後は1〜3か月ごとの外来を目安に、病型、薬、血圧、LDL、HbA1c、腎機能、心電図などを確認します。
Q14.どんな症状なら外来ではなく救急ですか?
急な片側の麻痺・しびれ、顔のゆがみ、ろれつが回らない、言葉が出ない、視野が欠ける、意識がおかしい、これまでにない強い頭痛がある場合は、外来予約ではなく救急相談・救急受診を優先してください。症状が短時間で治まってもTIAの可能性があります。
参考文献
参考文献を表示
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