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インフルエンザ予防接種|吉祥寺駅前1分|成人4,000円・小児3,500円(税込)|対象:5歳以上

吉祥寺おおさき内科・脳神経内科では、総合内科専門医/神経内科専門医の院長が、最新エビデンスに基づき接種の適応・タイミングまで丁寧にご説明します。
吉祥寺駅(公園口)徒歩1分成人 4,000円(税込)/小児 3,500円(税込)対象:5歳以上

  • 忙しい方が通いやすい駅前・短時間の接種導線
  • 受験生の場合は、13歳以上の方は本番2〜4週間前までに1回接種5〜12歳は本番4〜6週間前に1回目 → 2〜4週間後に2回目が目安です。
  • 当院は吉祥寺駅徒歩1分の立地のため、武蔵野市だけでなく三鷹市・杉並区・調布市・練馬区・中野区・小金井市などからも多数ご来院いただいています

【重要:自治体の助成制度について】
当院のインフルエンザ予防接種は自治体の助成制度はご利用いただけません(自費)
助成をご希望の場合は、お住まいの自治体の公式サイトで対象・手続をご確認のうえ市区町村の指定医療機関での接種をご検討ください(年度により内容が変わります)。
例:武蔵野市の助成情報(公式): 小児インフルエンザ予防接種費用助成高齢者インフルエンザ予防接種

インフルエンザワクチンの効果

外来受診が必要な発症

外来受診が必要な発症(発熱・咽頭痛など):2024–25の中間解析では、小児32〜60%成人36〜54%の範囲で予防効果が示されました。2023–24シーズンでも小児59〜67%、成人33〜49%と一貫して抑制がみられています。[2][3]

外来受診が必要な発症に対するワクチン効果(%)の範囲
2024–25(中間):小児32–60、成人36–54/ 2023–24:小児59–67、成人33–49。これは米国の4つのワクチン効果評価研究の推定値の最小〜最大を帯で示したもので、日本の成績ではありません。[2][3]
0 20 40 60 80 小児 2024–25 成人 2024–25 小児 2023–24 成人 2023–24 32–60% 36–54% 59–67% 33–49% ワクチン効果(%)

入院・重症化

入院・重症化:2024–25の暫定値で小児の入院63–78%成人41–55%の予防効果。南半球8か国の解析でも入院全体約52%、ICU入室約68–70%の抑制が示されています。[2][4]

入院・重症化に対するワクチン効果(%)
2024–25(暫定):入院(小児63–78/成人41–55)。南半球(8か国プール):入院約52%(ポイント)、ICU入室68–70%(レンジ)。[2][4]
0 20 40 60 80 入院(小児)2024–25 入院(成人)2024–25 ICU入室(南半球) 入院(南半球・全体) 63–78% 41–55% 68–70% ≈52% ワクチン効果(%)

家族のあいだでうつる(家族内感染)ことを減らす

家族のあいだでうつる(家族内感染)ことを減らす:前向き世帯研究では、「ワクチンを受けていない家族」のうつりやすさ18.8%で、接種により全体として約21%低下しました(型によって差あり)。受験生であれば、家庭内の感染拡大を抑える意味で価値があります。[1]

指標推定値出典
家族内でうつる可能性(未接種家族)18.8%(95%CI 15.9–22.0)JAMA Netw Open 2024[1]
接種による家族内感染の低下約21%低下(相対効果)同上[1]
説明用:上記低下を仮定した概算約14.9%(18.8%×0.79)概算(目安)
家族内でうつる可能性(未接種世帯 vs 接種世帯)
※JAMA Netw Open 2024(約21%低下)に基づく説明図。実際の値は家族構成・流行株で変動。
0 5 10 15 20 25 割合(%) 家族内でうつる可能性(%) 未接種世帯 接種世帯(概算) 18.8% ≈14.9%

対象・回数(当院の方針:対象は5歳以上

  • 接種対象:5歳以上(5歳未満は当院では接種対象外)
  • 5〜12歳:2回接種(1回目から2〜4週間あけて2回目)
  • 13歳以上:1回接種
  • 妊娠・授乳:妊婦さんの保護に加え、乳児(とくに生後6か月未満)の入院予防効果が報告されています。[5]

接種時期と効果の持続(年内接種を推奨)

効果は接種後およそ2週間で立ち上がります。流行が本格化する前に免疫を準備することが大切です。[6]

インフルエンザワクチンの効果の経時的低下(ワニング)とは?

ワクチンの予防効果は時間とともに少しずつ下がることが分かっています。外来レベルの発症予防では、月あたりおよそ6〜11%(相対的)の低下、なかでもH3N2やBで約7%/月の低下が報告されています。一方、入院予防の低下は緩やかで、小児では月1.3%(8歳以下)〜4.7%(9〜17歳)程度と推定されます。[7]

守りたいこと1か月ごとの低下(目安)補足出典
外来受診が必要な発症を防ぐ 約7%/月 H3N2・Bで約7%、H1N1pdm09では6–11%/月 ACIP背景資料(2023)[7]
入院を防ぐ(小児) 1.3%/月(≤8歳)4.7%/月(9–17歳) 2015–16〜2019–20の前向きTND ACIP背景資料(2023)[7]
季節内のワクチンの予防効果(%)の推移(例)
Ferdinands 2017:14日後 59%180日後 23%(外来発症予防)。季節・年齢・株で変動します。[8]
ワクチンの予防効果(%) 0 20 40 60 80 0.5 2 4 6 59% 23%
  • 9〜10月の接種が理想。流行中はいつでも接種に意義があります(ワニングを踏まえ、早すぎ・遅すぎを避けるバランス)。[9]
  • 受験生の場合は本番2〜4週間前までに(13歳以上は1回)5〜12歳は本番4〜6週間前に1回目→2〜4週間後に2回目が目安です。

インフルエンザの株とワクチンの解説

今季(2025–26)の日本のワクチン製造株

日本(2025–26シーズン)はトリバレント(3価)で、次の3株が製造株として選定されています:
A(H1N1)pdm09:A/ビクトリア/4897/2022(IVR‑238) / A(H3N2):A/パース/722/2024(IVR‑262) / B(ビクトリア系統):B/オーストリア/1359417/2021(BVR‑26)。[21]

株の選定(日本の流れ)

世界の監視網(GISRS)のデータに基づき、WHOが年2回(北半球は2月)に翌季の推奨株を公表し、その後厚生労働省の審議会で日本の製造株が決定されます。
近年はB/山形系統の自然流行が確認されていないため、2025/26以降は3価へ移行する方針が示されています。[16][17][24][25]

ミスマッチ(効かない株が流行することは?)

あり得ます。インフルエンザは抗原変異(ドリフト)で年内に株が変化し得るため、推奨株と実際の流行株がずれることがあります。
それでも、重症化・入院リスクの低減という点で接種の意義は多くの場合に残ります。[2][3]

副反応と安全性

  • よくある症状:注射部位の痛み・腫れ、だるさ、微熱など。通常数日以内に軽快します。[10]
  • 重い副反応:アナフィラキシーなどはまれです。自己対照研究などで重大な安全性シグナルは限定的です。[11][12]
  • ギラン・バレー症候群(GBS):過去6週間以内にGBSを発症した方は慎重投与です(事前にご相談ください)。

妊娠・授乳/卵アレルギーへの対応

  • 妊娠中:接種により妊婦さんご本人の保護に加え、乳児の入院予防効果が示されています。[5]
  • 卵アレルギー:重症度にかかわらず接種可能とする推奨が示されています(通常の安全管理下で実施)。[9]

料金・持ち物・当日の流れ

  • 料金:成人(13歳以上)4,000円/小児(5〜12歳)3,500円(税込・自費)
  • 持ち物:本人確認書類、母子手帳(お持ちの方)、お薬手帳
  • 当日の流れ:受付 → 問診・体温 → 医師診察 → 接種 → 15分観察 → 会計
  • 服装:肩を出しやすい服装でご来院ください
  • 予約:下記から空き枠をご確認ください(在庫に限りがあります)

よくある質問(FAQ)

Q1.発熱・咽頭痛などの軽い症状の発症も抑えられますか?

A:医療機関を受診するような発症を、小児32〜60%成人36〜54%の範囲で減らしたシーズンの報告があります。[2][3]

Q2.入院や重症化は予防できますか?

A:はい。入院の予防は小児63–78%成人41–55%が報告されています。ICU入室の抑制も示唆されています。[2][4]

Q3.家族内での感染の「うつし合い」を減らすことはできますか?

A:はい。接種により家族内の感染が約21%少なくなるという推定があります。受験期のご家庭では特に有意義です。[1]

Q4.小児はなぜ2回接種が必要なのですか?

A:小児(とくにインフルエンザワクチン接種歴の浅い年齢)は、1回では十分な免疫が得られにくく2回接種で抗体価・防御効果が高まることが知られています。日本の一般的な用法でも13歳未満は2回接種が基本です(間隔は2〜4週間)。[22][26]

Q5.成人でも1シーズンに2回接種するメリットはありますか?

A:一般には推奨されません13歳以上は通常1回で、複数回接種の有効性向上を示す根拠は限定的です。海外・国内の推奨でも、成人の反復接種は原則推奨されていません(特殊な事情は医師にご相談ください)。[7][9][22]

Q6.いつ接種するのが最も適切ですか?

A:接種後約2週間で効果が立ち上がります。9〜10月の接種が理想的ですが、流行中であっても接種の価値はあります。[6][9]

Q7.受験前はいつ頃に接種するとよいですか(13歳以上)?

A:試験本番の2〜4週間前までに1回接種を完了してください。例:1〜2月本番なら12月中旬までに完了が目安です。

Q8.受験前はいつ頃に接種するとよいですか(5〜12歳)?

A:2回接種が基本です。本番4〜6週間前に1回目2〜4週間後に2回目を行い、2回目は本番の2週間以上前に終える計画がおすすめです。

Q9.インフルエンザの「株」とは何ですか。どの株が流行しやすいのですか?

A:A型(H1N1pdm09H3N2)とB型があり、近年はB/山形系統の自然流行が確認されていないため、北半球ではH1N1・H3N2・B(ビクトリア)3株が基本とされています(国・メーカーにより採用状況は異なります)。[15][16][17][18]

Q10.インフルエンザワクチンの株は、その年にどのように決まりますか?

A:世界の監視網(GISRS)のデータに基づき、WHOが年2回(北半球は2月)に翌季の推奨株を勧告し、厚生労働省の審議会で国内の製造株が最終決定されます。[16][17][24][25]

Q11.ワクチンを接種しても、効かない株(ミスマッチ)が流行することはありますか?

A:あります。インフルエンザは抗原変異(ドリフト)が起きやすく、選定時の予測と実際の流行株がずれることがあります。それでも重症化・入院の抑制は期待できることが多く、接種の意義は残ります。[2][3]

Q12.副反応にはどのようなものがありますか。重い副作用は心配ありませんか?

A:多くは注射部位の痛みやだるさなどで、通常数日以内に軽快します。重い反応(アナフィラキシーなど)はまれです。[10][11][12]

Q13.インフルエンザに罹患した後は、いつから接種できますか?

A:解熱・体調回復後に接種可能です。シーズン中は他の型が流行することもあるため、未接種であれば接種をご検討ください。

Q14.当日の運動・入浴・飲酒は問題ありませんか?

A:入浴は差し支えありません。激しい運動多量の飲酒は当日から翌日にかけてはお控えください。

この記事の監修者

大﨑 雅央(Masao Osaki)
吉祥寺おおさき内科・脳神経内科 院長
日本内科学会 総合内科専門医
日本神経学会 神経内科専門医・指導医

最終更新:

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参考文献

  • [1] Grijalva CG, et al. Estimated Effectiveness of Influenza Vaccines in Preventing Secondary Infections in Households. JAMA Netw Open. 2024;7(11):e2446814.Full text
  • [2] Frutos AM, et al. Interim Estimates of 2024–2025 Seasonal Influenza Vaccine Effectiveness—Four U.S. VE Networks. MMWR. 2025;74. CDC
  • [3] Frutos AM, et al. Interim Estimates of 2023–24 Seasonal Influenza Vaccine Effectiveness—Four U.S. VE Networks. MMWR. 2024;73(8). CDC
  • [4] Gharpure R, et al. Effectiveness of 2023 Southern Hemisphere influenza vaccines against severe illness: pooled estimates from eight countries. Lancet Glob Health. 2025;13(2). PubMed
  • [5] Sahni LC, et al. Maternal Vaccine Effectiveness Against Influenza‑Associated Hospitalizations and ED Visits in Infants. JAMA Pediatr. 2024;178(2):176‑184. PubMed
  • [6] CDC. Key Facts About Seasonal Flu Vaccine. 2024. CDC
  • [7] Grohskopf LA, et al. Prevention and Control of Seasonal Influenza with Vaccines — United States, 2023–24. MMWR Recomm Rep. 2023;72(RR‑2):1‑58。 CDC
  • [8] Ferdinands JM, et al. Intraseason Waning of Influenza Vaccine Protection. Clin Infect Dis. 2017;64(5):544‑550. Article
  • [9] CDC/ACIP. ACIP Recommendations Summary CDC
  • [10] CDC. Influenza(Inactivated/Recombinant)Vaccine Information Statement(VIS). 2025. PDF
  • [11] Shi XC, et al. Potential adverse events following seasonal influenza vaccination in older adults: self‑controlled case series. Vaccine. 2024. PubMed
  • [12] Ogawa M, et al. Neurological adverse events after influenza vaccination in older adults: self‑controlled case series. Hum Vaccin Immunother. 2025. PMC
  • [13] CDC. Guillain‑Barré Syndrome and Flu Vaccine。2024. CDC
  • [14] Vellozzi C, et al. Guillain‑Barré Syndrome and Influenza Vaccination: What We Know. Clin Infect Dis. 2014;58(8):1149‑55. Article
  • [15] CDC. Trivalent Influenza Vaccines。2024. CDC
  • [16] WHO. Recommended composition of influenza virus vaccines for use in the 2025–2026 Northern Hemisphere season。2025. WHO
  • [17] WHO. Recommended composition of influenza virus vaccines for use in the 2024–2025 Northern Hemisphere season。2024. WHO
  • [18] WHO. Transitioning to Trivalent Seasonal Influenza Vaccines。2025. PDF
  • [19] CDC. Selecting Viruses for the Seasonal Influenza Vaccine。2024. CDC
  • [20] CDC. WHO Collaborating Center(GISRSによる世界的な監視と選定の概要)。2024. CDC
  • [21] 東京都健康安全研究センター(TMIPH). 2025~2026年シーズンインフルエンザHAワクチン製造株(日本). 2025年6月3日更新. Web
  • [22] 厚生労働省. 令和6年度インフルエンザQ&A(用法・用量:13歳未満は2回、13歳以上は通常1回 ほか). 2024年11月7日. Web
  • [24] 厚生労働省. 季節性インフルエンザHAワクチンの推奨株に関する今後の取扱い(2025/26以降は3価へ移行). 2024年9月2日. PDF
  • [25] 厚生労働省.(参考資料)WHO 2025–26北半球シーズンのトリバレント推奨. 2025年5月28日. PDF
  • [26] 厚生労働省/添付文書等. インフルエンザHAワクチン(用法:皮下注射・年齢別容量). PDF