【専門医監修】片頭痛(偏頭痛)の治し方・原因・症状・予防と受診の目安
院長 大﨑 雅央
東京大学医学部 卒
日本神経学会 神経内科専門医
日本内科学会 総合内科専門医
今つらい方へ:暗い静かな場所で休み、早めにいつもの薬を使ってください。 突然の今までで最悪の頭痛、手足の麻痺、発熱+首のこわばりがあれば、すぐ受診してください。
- 片頭痛とは
- 片頭痛の原因
- あなたの頭痛は片頭痛?
- 片頭痛に伴う吐き気への対処
- 片頭痛の診断
- 痛いときの治療
- 予防薬・発作を減らす治療
- カフェイン・食事・生活のコツ
- セルフケア(ツボ・マッサージ)
- 遺伝と将来の脳の健康
- 受診を考えている方へ
- よくある質問(FAQ)
- 参考文献
60秒でわかる片頭痛
- 片頭痛は「脳の神経の病気」です。ズキズキする頭痛をくり返し、吐き気や光・音がつらくなります。日本の成人の約12人に1人がかかっています。
- 体質と生活環境が重なって起こります。親から受けつぐ体質が大きく、睡眠不足・ストレス・ホルモンの変化・天気の変わり目などが引き金になります。
- 診断は問診(お話を聞くこと)が中心です。MRIやCTは必ずしも必要ではなく、危険な病気を疑うときに行います。
- 治療は「発作のときの薬」と「予防の薬」の2本柱。痛みが来たら早めに鎮痛薬やトリプタンを使います。発作が多い方には、毎日の飲み薬や月1回の注射で頭痛の回数を減らす治療もあります。
- こんなときはすぐ受診を。突然の「今までで最悪の頭痛」、手足の麻痺、発熱+首のこわばりがあれば、片頭痛以外の緊急の病気の可能性があります。
- 受診は脳神経内科・頭痛外来へ。当院では国際基準にもとづく診療を行っています。
まず知りたいことから読めます
我慢する病気ではありません。痛いときの対処に加え、原因物質CGRPを標的にした注射薬や飲み薬で発作の回数を減らす予防治療も選べる時代です。 治し方は「痛いときの対処」と「予防」の2本柱です。症状・原因・治し方・予防・受診の目安まで、脳神経内科専門医が解説します。
治療・セルフケアの要点を読む
発作時は「痛みが強くなる前に早めに薬を使う」のがコツです。
軽い痛みならロキソプロフェン(ロキソニン®)やアセトアミノフェン(カロナール®)などの鎮痛薬、それで足りなければ処方薬のトリプタンを使います。
トリプタンが合わない方には、血管を収縮させない新しいタイプの薬(ラスミジタン、ゲパント)もあります。
吐き気が強いときは飲み薬以外の方法(点鼻薬・注射など)や吐き気止めの併用も選べます。
発作が月に何度もある方には、毎日の飲み薬や月1回の注射(抗CGRP抗体)で頭痛の回数を減らす予防治療があります。
ただし、突然の今まででいちばん強い頭痛、手足の麻痺・言葉が出にくい、発熱や首のこわばりなどがあるときは、
片頭痛以外の緊急の病気の可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。
また、鎮痛薬やトリプタンを使いすぎると、かえって頭痛が増える「薬の使いすぎによる頭痛(薬剤乱用頭痛)」になることがあります。使用日数を把握することが大切です。
発作時セルフケア(まずこれ)
- 可能なら暗い・静かな場所で休む(画面や強い光・音・においを避ける)。
- 吐き気が強いときは水分を少量ずつ(嘔吐が続く場合は無理をしない)。
- 処方されている急性期薬は「痛みが強くなる前」に早めに使用する。
- 危険サイン(突然の最強頭痛、麻痺、発熱など)があれば救急を含めて検討する。
院長からのメッセージ
「片頭痛は”我慢する病気”ではありません。適切な診断と治療で、発作の頻度や強さをコントロールできる時代です。おひとりで悩まず、まずはご相談ください。」
― 院長・神経内科専門医 大﨑 雅央
詳しく読む(発作時のチェックリスト・受診の目安)
片頭痛は「対処が早いほど楽になりやすい」ことが多い一方、まぎらわしい危険な頭痛もあります。以下を目安にしてください。
発作時のチェックリスト
- □ 安全を確保(運転・自転車・高所作業は中止。転倒しない体勢で休む)。
- □ 暗く静かな場所で休む(光・音・におい・画面刺激を減らす)。
- □ 急性期薬は早め(医師の指示どおり、重症度や背景に応じてアセトアミノフェン/NSAIDs、トリプタン、ラスミジタン/ゲパント等を選びます)。
- □ 吐き気が強い場合:ODT/点鼻/皮下注など経口以外も検討。必要なら制吐薬併用を相談。
- □ 水分:少量をこまめに(脱水は悪化要因になりやすい)。
- □ 薬の使用日数を記録(MOH予防:市販鎮痛薬は月15日超、トリプタン等は月10日超が3か月超続くと注意)。
- □ 頭痛日記:頭痛日数・誘因・薬の使用をメモ(治療の精度が上がります)。
受診の目安(危険サイン/レッドフラッグ)
次のような場合は、片頭痛以外の病気(くも膜下出血、髄膜炎、脳卒中など)を除外する必要があるため、 早めに医療機関(状況によっては救急)で評価を受けてください。
- 突然の「今まででいちばん強い頭痛」
- 手足の麻痺、ろれつが回らない、視野の欠け、意識がぼんやりする
- 発熱、首のこわばり、けいれん
- 頭を強く打った直後、妊娠・産後、50歳以降の新しい頭痛
片頭痛とは何ですか? — 偏頭痛との違いと症状の特徴
※すべての人にすべてのフェーズが現れるわけではありません。
結論片頭痛は、ズキズキ拍動する頭痛発作を繰り返し、吐き気や光・音がつらくなる神経の病気です。「偏頭痛」は同じ病気の旧称・俗称で、痛みは片側に限りません。
- 「拍動する痛み」+「動くと悪化」+「吐き気・光/音過敏」が手がかりになります。
- 一部の方は頭痛前に前兆(オーラ)(ギザギザした光など)を経験します。
- 「偏頭痛」という表記もありますが、多くは片頭痛と同じ意味で使われ、痛みは片側に限りません。
- 突然の最強頭痛や麻痺・発熱などがあれば、片頭痛以外の緊急疾患を疑って評価します。
詳しく読む(症状・前兆・受診サイン)
片頭痛は、ズキズキする頭痛をくり返し、吐き気や光・音のつらさを伴う神経の病気です。検査で異常が見つからないことも多く、診断は症状の聞き取りが中心です[1]。日本では成人の約12人に1人にみられ、女性に多いことが知られています[38][39]。
「偏頭痛」という言い方もよく使われますが、多くの場合は「片頭痛」と同じ意味です。痛みは片側だけとは限らず、両側に出ることもあります。
片頭痛では、脳の痛みセンサーが敏感になり、CGRP(シージーアールピー)という痛みを強める信号物質が増えることがわかっています。このしくみを抑える注射薬や飲み薬が使えるようになり、治療の選択肢が広がっています[6][9][3][10][4][11][5]。
- 主な症状:拍動性の頭痛、動くと悪化、吐き気・嘔吐、光/音/においがつらい など。
- 前兆:一部の人では、ギザギザした光(閃輝暗点)などの前兆が頭痛の前に出ます(多くは60分以内に消えます)[1]。
- すぐ受診:突然の最強頭痛、麻痺・言葉が出にくい、発熱・首のこわばり、頭を強く打った、50歳以降の新しい頭痛は緊急評価が必要です[2]。
片頭痛(偏頭痛)の原因は? — 引き金になる要因と発作の仕組み
結論片頭痛(偏頭痛)の原因は、遺伝的な体質と、睡眠不足・ストレス・ホルモン変化・天候などの引き金が重なって起こります。脳がCGRPを介して刺激に敏感になる仕組みが土台です。
- 原因は1つではなく、体質×環境の重なりで“脳が敏感”になり発作が起きます。
- 前兆は脳の表面をゆっくり広がる変化(CSD)で説明されます。
- 誘因は「引き金」。生活リズムの安定が予防の土台になります。
詳しく読む(CGRP・遺伝・誘因)
片頭痛の原因は1つではありません。なりやすい体質と、睡眠不足、ストレス、生理前後、天気の変化などの引き金が重なると、脳が刺激に敏感になって発作が起こると考えられています[12][6]。前兆がある方では、脳の表面にゆっくり広がる変化が関係すると考えられています[9]。
- CGRPが注目される理由:片頭痛の発作中にCGRPという物質が増えること、そしてCGRPをブロックする薬で片頭痛がよくなることがわかったためです。 注射薬(抗CGRP抗体)だけでなく、飲み薬(ゲパント)でも効果が確認されており、国内でも処方できるようになっています[3][10][4][11][5][41]。
- 遺伝:家族内に多く、40〜60%程度の遺伝の影響が推定されています[13]。
- 「誘因」は引き金:睡眠・ストレス・におい・強い光・天候などは引き金で、原因そのものではありません。生活リズムを整えると予防に役立ちます[14][15]。
片頭痛のセルフチェック — 症状で見分ける6つの特徴
結論片頭痛の特徴は「①ズキズキ拍動性 ②動くと悪化 ③吐き気 ④光・音過敏 ⑤4-72時間続く ⑥繰り返す」の6つです。複数当てはまる方は脳神経内科で相談を。
- 日本では成人の約12人に1人とされ、女性に多く、20〜40代で目立ちます。
- 睡眠不足・ホルモン変化・光/音/におい・天候などで誘発されることがあります。
- 自己管理(生活)と薬物療法をセットで整えると安定しやすいです。
あなたの頭痛は片頭痛? かんたんチェック
- □ 頭痛はズキズキ脈打つように痛む
- □ 動いたり階段を上ると痛みが強くなる
- □ 頭痛のとき吐き気がある、または吐いてしまう
- □ 頭痛のとき光がまぶしい、音がうるさく感じる
- □ 頭痛は4時間〜3日くらい続く
- □ 同じような頭痛が何度もくり返す
いくつか当てはまる方は、片頭痛の可能性があります。ただし自己判断だけでは区別が難しいため、同じような頭痛をくり返す方や、市販薬を月に何度も使っている方は、脳神経内科や頭痛外来で相談しましょう。
片頭痛(偏頭痛)で吐き気がするのはなぜ? — 吐き気への対処法
結論片頭痛(偏頭痛)の吐き気は、脳の吐き気スイッチ(延髄)が刺激されCGRP・セロトニンのバランスが崩れて起こります。早めの急性期薬と制吐薬の併用で楽になります。
- 吐き気が軽い段階なら「痛みが強くなる前の早期内服」がコツです。
- 吐き気が強いときはOD錠なども検討します。
- 薬の使いすぎ(MOH)を避けるため、使用日数の目安を守ります。
詳しく読む(軽い/強い吐き気の対処)
片頭痛で吐き気が出るのは、脳の吐き気スイッチ(延髄の最後野など)が刺激され、ドパミン・セロトニン・CGRPなどのバランスが崩れるためと考えられています[12]。食事や水分がとれなくなる前に、早めの対応が大切です。
| 場面 | 対処のポイント |
|---|---|
| 吐き気が軽い |
痛みが強くなる前に早めに薬を飲みます(鎮痛薬やトリプタンなど)。 「吐き気がいちばんつらい」という方でも、頭痛の薬で吐き気も一緒に楽になることが多いです。 |
| 吐き気が強い・吐いてしまう |
飲み薬が難しいときは、口の中で溶ける錠剤(OD錠)、点鼻薬、注射などを使います。 吐き気止め(制吐薬)を併用すると、痛みと吐き気の両方が楽になりやすくなります。 嘔吐が続く場合は無理せず医療機関に相談してください。 |
注意:妊娠・授乳中や心臓・血管の病気がある方は選べる薬が変わります。市販薬をくり返し使い続けず、薬剤乱用頭痛(市販鎮痛薬は月15日超、トリプタン等は月10日超)にご注意ください[2]。
片頭痛(偏頭痛)は何科を受診すれば良い? — 診断と検査の流れ
結論片頭痛は脳神経内科・頭痛外来で診断できます。画像よりも問診が主役で、症状の聞き取りと神経診察、必要に応じてMRIや採血で危険な頭痛を除外して診断します。
- 痛みの性質・時間・頻度・随伴症状(吐き気、光/音過敏)・前兆の有無を評価します。
- 突然の最強頭痛、麻痺、発熱などがあれば緊急評価を優先します。
- 頭痛日記は慢性片頭痛や薬剤乱用頭痛の評価に役立ちます。
詳しく読む(診断の流れ・ICHD‑3の目安)
片頭痛の診断は、画像よりもお話を聞くこと(問診)が主役です。次のような流れで判断します。
受診時に医師が確認すること
- ① 症状の聞き取り:痛みの感じ方(ズキズキ? 締めつけ?)、強さ、続く時間、頻度、吐き気や光・音のつらさ、頭痛の前にギザギザした光が見えるかどうか、など。
- ② 神経の診察:手足の動き、感覚、ことばの出方、目の動きなどを確認します。
- ③ 危険なサインの確認:突然の最強頭痛、麻痺、発熱・首のこわばりなどがあれば、すぐに緊急の検査に進みます[2]。
- ④ 持病や飲んでいる薬の確認:心臓の病気、妊娠の可能性、他の薬との飲み合わせなどを確認し、安全に使える治療薬を選びます。
- ⑤ 画像検査は必要なときだけ:典型的な片頭痛ならMRIやCTは必須ではありません。危険な病気が疑われるときに行います[2]。
受診前に準備しておくと役立つこと
- 頭痛がある日は月に何日くらいか
- 痛みが始まってから治まるまでの時間
- 市販薬や処方薬を使った日数(月に何日くらい)
- 頭痛の前後に気づいたこと(睡眠不足、天気、生理前後など)
これらをメモや「頭痛ダイアリー」にまとめておくと、診察がスムーズになります。
前兆がある片頭痛とは
頭痛の前に、ギザギザした光が見える、見えにくい場所ができる、しびれが広がる、言葉が出にくいなどの症状が5〜60分ほど続き、その後に頭痛が始まるタイプです。初めてのときは、脳卒中など別の病気と区別するために受診をおすすめします。
前兆のない片頭痛の目安
ズキズキする痛みが4〜72時間ほど続き、動くと悪化し、吐き気や光・音のつらさを伴うタイプです。同じような頭痛をくり返す場合は、前兆がなくても片頭痛のことがあります[1]。
片頭痛(偏頭痛)の治し方 — 薬・市販薬・カロナールの使い分け
結論片頭痛(偏頭痛)の治し方は、軽症はカロナール・NSAIDs、中等症以上はトリプタンを早めに使うのが基本。心血管疾患・高齢の方にはレイボー(ラスミジタン)も選択肢です。
- 早期内服で効きやすく、生活への支障も減らせます。
- 吐き気が強いときは制吐薬や経口以外(点鼻・皮下注など)も選択肢です(ODT製剤も有用な場合があります)。→ 吐き気への対処を詳しく見る
- 薬剤乱用頭痛(MOH)を避けるため、使用日数の目安を守ります。
詳しく読む(薬の使い分け・注意点)
コツは「痛みが強くなる前に早めに使う」ことです。薬は大きく4タイプあり、頭痛の強さ・持病・吐き気の有無・生活スタイルに合わせて医師と選びます[2][21][3][5][22]。
※薬剤乱用頭痛(MOH):市販鎮痛薬は月15日超、トリプタン等は月10日超の使用が3か月を超えて続く場合に疑います。ゲパント等の新規薬剤についても、まずは使用日数の把握と相談をおすすめします[1][2]。
| 薬のタイプ | どんな薬? | 知っておきたいこと |
|---|---|---|
| 鎮痛薬 ロキソプロフェン、イブプロフェン、アセトアミノフェンなど |
軽い発作のときにまず使います。市販薬としても手に入ります。 | 使いすぎ(月15日超が3か月以上)に注意。胃の負担がある薬もあります。 |
| トリプタン スマトリプタン、リザトリプタンなど(処方薬) |
片頭痛に特化した薬です。鎮痛薬で足りないとき、または中等度〜重度の発作に使います。飲み薬・点鼻薬・注射と形が選べます。 | 心臓や脳の血管に病気がある方は使えないことがあります。使いすぎ(月10日超が3か月以上)に注意[2]。 |
| ラスミジタン (レイボー®・処方薬) |
血管を収縮させない新しいタイプの薬。トリプタンが合わない方や、血管を収縮させる薬を使いにくい方でも検討しやすい薬です。 | 眠気・めまいが出ることがあり、飲んでから8時間は運転できません[22]。 |
| ゲパント(リメゲパント) (ナルティーク®・処方薬) |
片頭痛の原因物質CGRPをブロックする飲み薬です。血管を収縮させず、口の中で溶ける錠剤なので吐き気があるときにも使いやすいことがあります。 | 他の薬との飲み合わせの確認が必要です。発作のときにも予防にも使える薬です[3][5]。 |
片頭痛の予防薬 — 発作を減らす治療の選択肢
結論片頭痛の予防薬は、月の頭痛日数を減らす治療です。既存予防薬(ロメリジン・プロプラノロール等)と新しいCGRP関連薬の2系統があり、月平均4日以上の発作で適応となります。
- 「頻度が多い」「生活に支障が大きい」場合は予防が有効です。
- 既存予防薬と新しいCGRP関連薬(注射・経口)の選択肢から、体質や生活に合う方法を選びます。
- 合う薬は人によって違うため、少量から調整して続けやすさを重視します。
既存の予防薬
ロメリジン(ミグシス)、プロプラノロール(インデラル)、バルプロ酸など、もともと別の病気に使われていた薬が片頭痛予防にも効くことがわかったものです。体質や持病に合わせて選び、少量から始めます。注射が苦手な方や、まず予防を始めたい方の最初の選択肢です。
CGRP関連薬(注射・経口)
CGRP関連薬は、片頭痛発作の引き金となるCGRPの働きを直接ブロックする新しい予防薬です。注射タイプと経口タイプの合計5種類があり、月平均4日以上の片頭痛発作があり、既存予防薬で効果が不十分または副作用で続けられなかった方が健康保険適用の対象です。各薬剤の違いと選び方は専門ページで詳しく解説しています。
片頭痛とカフェイン・コーヒーの関係 — 食事・生活習慣の影響
結論片頭痛は、睡眠・運動・カフェイン・食事の生活習慣で発作頻度が変わります。カフェインは取りすぎ・急な中断ともに誘発要因になり、規則的な生活が予防の土台です。
- 就寝/起床時刻をそろえ、睡眠の質を上げることが重要です。
- 週3回・20〜45分の有酸素運動は、発作日減少の報告があります。
- カフェインのとり方を見直し、必要に応じて脂質異常症など全身の健康管理も行います。
片頭痛のセルフケア — ツボ・マッサージで対処する方法
結論片頭痛のセルフケアは、頭部冷却・暗く静かな場所での休息・首肩のマッサージが基本です。ツボ(風池・百会)を軽く押す程度なら補助的に使えますが、強い刺激は避けます。
- 発作中は頭部を冷却し、暗く静かな場所で安静にすることが効果的です。
- 首・肩のマッサージで筋緊張をやわらげると、片頭痛に伴う肩こりが軽減します。
- ツボ押しは補助的・予防的位置づけで、発作中の強い刺激は症状を悪化させる可能性があります。
詳しく読む(具体的なセルフケア)
発作中のセルフケア
- 頭部の冷却:こめかみ・首筋に冷たいタオルや保冷剤を当てます(温めると悪化することが多い)。
- 暗く静かな場所で休む:光・音・においの刺激を避けます。
- 水分補給:脱水も誘因になるため、こまめに水分をとります。
予防的なセルフケア(発作のない日)
- 首・肩のマッサージ:片頭痛のある方は肩こりを併発しやすいため、首肩のストレッチや軽いマッサージで筋緊張をやわらげます。
- ツボ刺激:風池(ふうち、後頭部の髪の生え際)、百会(ひゃくえ、頭頂部)などを指の腹で軽く押す程度にとどめます。
片頭痛は遺伝する? — 将来の脳の健康と生活習慣管理
結論片頭痛は遺伝の影響が40-60%ある神経の病気で、家族内発症が多いです。将来の脳の健康のため、血圧・脂質・血糖・禁煙・運動・睡眠の管理が大切です。
院長からのメッセージ
「片頭痛があるからといって必ず認知症になるわけではありません。血圧・脂質・血糖の管理や適度な運動といった生活習慣の最適化で、将来のリスクは十分に下げることができます。」
― 院長・神経内科専門医 大﨑 雅央
- 片頭痛は家族に多く、遺伝の影響は40〜60%程度と推定されています。
- 観察研究では認知症リスクとの関連が示唆されていますが、因果関係はまだ確立していません。
- リスクは生活習慣の改善(修正可能なリスク因子)で下げられる可能性があり、片頭痛治療と両立が重要です。
詳しく読む(遺伝・関連遺伝子・将来のリスク)
遺伝:片頭痛は家族に多く、40〜60%ほど遺伝の影響があります。大規模な遺伝子研究で、片頭痛に関わる遺伝子が100以上見つかっています。まれに1つの遺伝子の変化だけで起こるタイプもあります[13]。
将来の脳の健康:観察研究では、片頭痛と認知症リスクの関連が示唆されていますが、研究によって結果にばらつきがあり、「片頭痛があると必ず認知症になる」というわけではありません[34]。一方で、血圧・脂質・血糖・禁煙・運動・睡眠の管理は認知症予防に役立つことが知られており、脂質管理とリスク低下の関連も報告されています[35][36]。片頭痛がある方こそ、頭痛を我慢せず整えることと、生活習慣を一緒に整えることが大切です。
関連片頭痛のある方の脳の健康チェック
片頭痛と将来の脳の健康(認知症・脳卒中リスク)が気になる方は、3テスラMRI+採血+認知機能検査+心電図を組み合わせた当院の認知症・脳卒中ドックで、現在の脳の状態を一度確認しておくのも一つの方法です。神経内科専門医が結果を統合的に評価します。
認知症・脳卒中ドックを詳しく見る →片頭痛で受診を考えている方へ — 神経内科専門医による頭痛外来
こんな方は受診をご検討ください。同じような頭痛をくり返す、市販薬を月に何度も使っている、仕事や家事が止まる、吐き気や光がつらい、予防治療を相談したい――そんなときは脳神経内科・頭痛外来が役立ちます。 吉祥寺おおさき内科・脳神経内科では、頭痛の経過、使っている薬、持病や妊娠の可能性も含めて確認し、発作時の薬と予防治療を一緒に整理します。
片頭痛のよくある質問(FAQ) — 受診・治療・薬の疑問
Q1.どんなときにすぐ受診したほうがいいですか?
A:突然の激痛、発熱・首のこわばり、けいれん、意識障害や麻痺、50歳以降の新規・進行性、がん・免疫不全・妊娠に伴う頭痛は救急を検討します。
Q2.MRI/CTは必要ですか?
A:典型的な片頭痛では必ずしも必要ありません。受診時の状態で必要性を判断します。
Q3.心臓病があるとトリプタンは使えますか?
A:冠攣縮や脳血管の病気などがある方では使いにくく、片麻痺性片頭痛や脳幹前兆片頭痛でも慎重な判断が必要です。代わりに血管収縮を起こさないラスミジタン(レイボー®)や、CGRP受容体拮抗薬(ゲパント)などを検討します。ラスミジタンは内服後8時間は運転不可です。
Q4.CGRP受容体拮抗薬(ゲパント)はどんな人に向いていますか?
A:トリプタンが不適・無効・不耐の方や、急性期と予防の両面で経口のCGRP関連薬を検討したい方に向いています。リメゲパントは日本で急性期治療と発症抑制の両方に使える経口ゲパントです。アトゲパントは発症抑制に用いる新しい経口ゲパントで、予防治療の選択肢になります。併用薬(CYP3A4等)や妊娠・授乳の可否は診察時に確認します。
Q5.抗CGRP抗体は誰に向いていますか?
A:成人片頭痛予防の有力な選択肢です。従来の飲み薬の効果や副作用、通院スタイル、妊娠希望の有無などを踏まえて個別に選びます。妊娠・授乳中は原則慎重に扱います。
Q6.抗CGRP抗体の費用はどれくらいですか?
A:費用は薬剤、初回/維持投与、保険負担割合、注射・管理料などで変動します。付加給付や高額療養費で自己負担が下がる場合もあるため、最新の目安は受診時にご案内します。
Q7.薬を飲みすぎて頭痛になりますか?(薬剤乱用頭痛:MOH)
A:はい。市販鎮痛薬は月15日超、トリプタン/複合鎮痛薬/エルゴタミン/オピオイドは月10日超の使用が3か月を超えて続くと、薬剤乱用頭痛(MOH)を疑います。対策は①説明と計画(使用頻度を基準内へ)、②中止または漸減、③予防薬の導入/最適化、④再発予防です。
Q8.片頭痛は何科を受診すればいいですか?
A:脳神経内科や頭痛外来、かかりつけ医で相談できます。診断が難しい場合や、症状が頻回・複雑な場合は頭痛診療に慣れた医師への相談が有用です。月2回以上は予防治療を考える一つの目安ですが、回数だけでなく生活への支障や急性期薬の使用頻度も踏まえて判断します。
Q9.片頭痛と天気(気圧)の関係は?
A:天候や気圧変化を誘因と感じる人は多い一方、研究結果は一貫しておらず、個人差も大きいです。頭痛日記や天気アプリで自分の傾向を把握し、気圧変化の前後に休息や頓用薬の準備をしておくことが実用的です。詳しくは気圧頭痛(低気圧頭痛)の対処と予防をご覧ください。
Q10.妊娠中の片頭痛はどう治療しますか?
A:妊娠中の急性期治療はアセトアミノフェンが第一選択です。症状が強い場合は、トリプタンやNSAIDsを妊娠時期・必要性・リスクを主治医と相談のうえで検討します。予防薬は原則慎重に扱い、必要時はβ遮断薬や低用量アミトリプチリンを含めて専門医と個別に相談します。
Q11.子どもの片頭痛はどう対処しますか?
A:小児の片頭痛は2〜72時間続くことがあり、成人より両側性のことも多い点が特徴です。まずは十分な睡眠・規則正しい食事・スクリーンタイムの調整などの生活指導を行い、発作時は早めにアセトアミノフェンやイブプロフェンを使います。思春期では一部のトリプタンを専門医判断で使うことがあります。
Q12.片頭痛にコーヒー(カフェイン)は効きますか?
A:カフェインで楽になる人もいますが、誘因や離脱頭痛の原因になる人もいます。市販薬に含まれることはありますが、カフェイン単独が標準治療というわけではありません。毎日多量にとるのは避け、頭痛日記で自分との相性を確認しましょう。
この記事の監修者
院長 大﨑 雅央(Masao Osaki)
吉祥寺おおさき内科・脳神経内科
日本神経学会 神経内科専門医
日本内科学会 総合内科専門医
参考文献
参考文献を開く/閉じる
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